悠久の時を感じる、食べたら少し甘い、この野草の名をご存じですか?
皆さん いつもありがとうございます。kurukoyaです。
今回もクイズっぽい表題になりましたが、秋になると直径3mmほどの紫色の実をつける野草なのです。
その悠久の時を感じさせる名前を持つこの植物、皆さんはわかりますでしょうか?
正解は…
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『ムラサキシキブ』という植物です!
実のなり方から、ひょっとしたらコムラサキかもしれませんが...。
間違い易いらしいが話の展開としては、一旦はムラサキシキブとしてご容赦いただくとして、そんなムラサキシキブ(コムラサキも)ですが、木の実を食する事が出来るんです。
◆ムラサキシキブ◆
シソ科の落葉広葉樹の低木で、高さ2 - 3メートル (m) 程度で小枝はやや水平に伸びる低草木。一株のムラサキシキブを定点観測していたのですが、初夏から夏にかけて迎える花期には小さな淡紫色の花が咲きす。
そして夏に結実しますが、今回は8月下旬に確認できました(下の写真)。
果期はまさに今頃で、直径3mmほどの少し硬めの濃い紫色の球形が果実で、程よい甘さの実を付けます。
◆名前の由来◆
諸説ありますが、ムラサキシキブという名前は、源氏物語の作者である紫式部に由来しており、江戸時代以前には「むらさきしきみ」などと呼ばれていた様ですが、その実の美しさからかムラサキシキブ(紫式部)と呼ばれるようになったそうです。紫式部は言わずもがな、平安貴族社会を和歌795首で描いた源氏物語の著者ですよね。なんか悠久の時を感じずにはいられませんよね!
◆実食◆
今回、しっかり色づきましたので、少しいただく事にしました。果物ほどの甘さはありませんでしたが、ほんのりした甘さが、心をほっこりさせ、なんか今昔をつなぎ、悠久の歴史を逆に経て昔を認識させてくれる様なそんな優しい味わいでした
◆毒性◆
現時点、毒性の報告はありませんので、常識的な範囲アで食する事は問題はないように思います。
◆興味深い情報◆
ムラサキシキブと関連する興味深い情報がありました。なんと『漁』に使う事が出来るというのです。ただしその漁法は1951年発行の水産資源保護法により法的に禁止になっているので、違法行為かつ環境破壊にもなるので絶対にやっちゃあダメですが、その昔は海や河川などに毒を撒いて魚を取る漁法があったそうで、別名『毒もみ』、『毒流し』、『根流し』などと呼ばれ、日本各地で行われていた様です。
有名な話では、宮沢賢治さんの『毒もみの好きな署長さん』の一節で、『山椒の皮を春の午うまの日の・・・・それを袋ふくろに入れて水の中へ手でもみ出すことです。そうすると、魚はみんな毒をのんで、口をあぶあぶやりながら、白い腹を上にして浮びあがるのです。・・・エップカップと云う。』と出て来るぐらい、身近な漁法だったのかもしれません。
ムラサキシキブもそれに使う事が出来る植物の一種でいわゆる『魚毒植物』なのだそう。悠久の時を更に感じますね。
人間は、古来よりいろんな形で植物の恩恵を受けていたのですね。