居残り寒波の影響で、関東平野部でも雪のおそれ
南岸低気圧が通過へ
過去最強クラスの大寒波は峠を越えましたが、今度は太平洋側に雨や雪をもたらす南岸低気圧の出番となりそうです。
あす27日(金)午前9時の予想天気図をみると、四国沖に前線を伴った低気圧が発生し、東寄りに進むでしょう。そして日本付近に流れ込んだ最強寒波は弱まっているのですが、それでも南岸低気圧で太平洋側に雪をもたらす目安とされる上空1500メートル付近で-3度以下の寒気が太平洋側まで下がる予想です。
このため、関東から九州の太平洋側の平地でも、降水があれば、雨に雪が交じるみぞれになったり、雪になったりする所も多いのではないかと思われます。
下層寒気が強まる予想に
では関東平野部はどうでしょうか。
まず関東平野部で雪が降る目安とされるのが、上空1500メートルで-3度以下の寒気ですが、上図左では関東南岸までこの-3度線が南下しています。
さらに重要な要素となるのは、最下層で生成される寒気の存在です。上図右は上空500メートル付近の寒気の予想ですが、滞留寒気と呼ばれる冷気の塊が内陸で生成され、雪の目安とされる0度以下の寒気が東京都心付近まで覆う予想です。
この滞留寒気は、きのう25日(水)の時点(参考記事)では、ほとんど予想されていなかったのですが、時間を追うごとに強まり、最新の予想では、地上にみぞれや雪をもたらすような滞留寒気が生成される予想です。
この最下層の寒気の予想どおりならば、東京都心を含めて、降水があれば、雪になる可能性はかなりあると思われますが、問題は降水域がどれ位拡大するかです。
関東平野部でみぞれや雪の可能性が上昇
南岸低気圧により、関東平野部に降水域がかかると予想されるのが、あす27日(金)昼過ぎから夕方にかけてのタイミングです。
上図は最新のコンピュータの予想ですが、この降水予想は最下層の気温場がやや高いと予想される計算のため、都内で雪が降るのは多摩地方のみとなっていますが、おそらく東京都心付近でも夕方にかけて3度以下まで下がる予想で、みぞれになる可能性はかなり高いのではないかと思われます。
南岸低気圧の予想は、気温が1度変わったり、風向きが変わったり、湿度が変わったり、わずかな降水量の変化などにより、いつも雨になるか、雨に雪が交じるか、雪になるか非常に困難を極めるのですが、あすもまさに然りで、かなり難度の高い予報となっています。
最新の気象庁の見立てでは、あす27日(金)午後6時までの予想降雪量は、多い所で、関東北部で3センチ、関東南部で1センチの予想で、場所によってはうっすらと雪化粧する所があるかもしれません。わずかな積雪でも雪が積もれば、転倒事故やスリップ事故につながりますので要注意です。
東京23区では積雪とはならない見込みですが、降水量が増えれば、必然的に気温も下がり、うっすらと積もる可能性も否定出来ませんので、引き続き、最新情報にご注意願います。