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【保育士書店員が選ぶ絵本】心も体もポカポカ温かくなる 秋に読みたい絵本5選

リビング書店絵本専門書店員/保育士/介護福祉士

行楽の秋・食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋…さまざまな楽しみが一気に訪れる秋。楽しみが盛りだくさんの季節ですね。

実は書店にも、そんな秋をたっぷりと楽しめる絵本があるんですよ!芋ほりや栗拾いなど、秋の行事前夜の読み聞かせにピッタリ。大人も、素敵な秋の旅行気分を味わえます。

YouTubeでも秋のおすすめ本を紹介しています。

おいもをどうぞ!
柴野民三 原作
いもとようこ 文・絵
ひかりのくに

おいもをどうぞ! 柴野民三 原作  いもとようこ 文・絵  ひかりのくに
おいもをどうぞ! 柴野民三 原作  いもとようこ 文・絵  ひかりのくに

たくさんもらったさつまいもを、隣の家におすそ分けする動物たち。お隣さんにも美味しいお芋を食べてもらいたいな、そんな優しさや思いやりの気持ちが伝わる絵本です。(出版社リンク

くまさんの畑で、お芋がどっさり採れました。隣のブタさんに半分おすそわけ。

ブタさんも、一人では食べきれないから、隣のタヌキさんに半分おすそ分け。

タヌキさんはウサギさんに、ウサギさんはネコさんに…みんなが半分ずつ、おすそ分けします。

最後は小さなねずみさん。せっかく美味しそうなお芋だからおすそ分け…

誰におすそ分けするのかな?

思いやりの連鎖が村全体に広がっていく。温かく幸せな気持ちになる作品です。冷たい秋の風の中に、お芋をふかす匂いと温かい気持ちが流れていますよ。「あなたにも、おいもをどうぞ!」

つみつみでんしゃ
薫くみこ 作
かとうようこ 絵
ひさかたチャイルド

つみつみでんしゃ 薫くみこ 作 かとうようこ 絵 ひさかたチャイルド
つみつみでんしゃ 薫くみこ 作 かとうようこ 絵 ひさかたチャイルド

森のつみつみでんしゃは、今日も満席です!さあ、どこへ向かうのかな?ヒントは紅葉が美しいあそこです!電車の窓を開ける仕掛けが楽しい絵本です。(出版社リンク

たにのひろば駅から、つみつみでんしゃが発車します。この電車はちょっと変わっていますよ!

柿やキノコや栗、沿線に美味しいものが見えるたびに停車するのです。

「お急ぎのところ、申し訳ありません!栗拾い停車いたしまーす!さあたくさん摘んで、お積みくださーい!」

電車の窓が開けられる絵本の仕掛けになっています。

窓から見える景色には、次に止まる場所のヒントが見えます。

電車が出発するたびに、電車の中に美味しいものが増えていくのも面白いポイントです。

読者も秋の山へ行った気持ちになり、栗拾いや柿もぎなど、登場人物と一緒に楽しんでいる気分になります。つみつみ電車に乗って紅葉狩り気分を満喫しましょう!

もりのおふろ
西村敏雄 作
福音館書店

もりのおふろ 西村敏雄 作 福音館書店
もりのおふろ 西村敏雄 作 福音館書店

夏はシャワーだけの人も多いけど、秋はやっぱりお風呂でしょ!温かいお湯で体も心もポカポカになりましょう!(出版社リンク

森の奥にわくお風呂に入ろうと、次々に動物たちが訪れてきますよ。

ライオンの背中をゾウが洗い、ゾウの背中をワニが…と洗い合いっこしていたら、いつの間にか、お風呂の周りをグルッと一周。みんなで輪になって背中を洗います。

一人で入るお風呂もいいけど、たまには大勢で入るのも楽しいですよね。

お母さんの背中をゴシゴシ洗ってあげたり、お父さんとゆっくり湯船につかってお話したり。

森で動物たちと一緒にお風呂に入ったら、どんなに楽しいか想像を膨らませるのもいいですね!そんな素敵なお風呂タイムを、絵本を読んで味わってみましょう。

ぼくのえんそく
穂高順也 作
長谷川義史 絵
岩崎書店

ぼくのえんそく 穂高順也 作 長谷川義史 絵 岩崎書店
ぼくのえんそく 穂高順也 作 長谷川義史 絵 岩崎書店

行きたかった遠足に行けなかった、ぼくの想いがすーっと抜け出して、ユーモアとファンタジーがたっぷりの一冊です。(出版社リンク

今日は待ちに待った遠足の日。だけど朝から熱が出てしまいました。

体が重くて辛くて動けない。でも、遠足に行きたいんだー!と思っていたら、僕の気持ちが、ニュッ!と体から抜け出して・・・

一度は遠足に行ってみたかった猫や、冷蔵庫のジュースたちも引き連れて、遠足のバスを追いかけていきます。

遠足の嫌われ者、雨雲が皆んなを乗せてくれました。

さあ、一行は無事に遠足に参加できるかな?

最初から最後まで、まさかの展開が続くストーリーです。前半の男の子の気持ちがニュッと抜け出すところから、まさかのびっくりですが、中盤で登場する雨雲がさらに展開を盛り上げてくれます。

楽しみにしすぎて熱が出ちゃうって、実は子どもたちの”あるある”ですよね。そんな子どもたちの気持ちに寄り添って、もし遠足に行けなくても、こんなふうに参加出来たら最高だよね!と楽しませてくれる作品です。

さつまのおいも
中川ひろたか 文
村上康成 絵
童心社

さつまのおいも 中川ひろたか 文 村上康成 絵 童心社
さつまのおいも 中川ひろたか 文 村上康成 絵 童心社

イモほりは、子どもとイモの綱引き合戦なのだ!という楽しい目線で描かれています。どちらが勝つのかな?それは美味しいサツマイモを食べてからのお楽しみ。(出版社リンク

サツマイモが大きく成長するまでには、土の中でどんなふうに過ごしているのか想像したことありますか?

実はストレッチしたり、スイミングやマラソンもしていますよ。夜にはぐっすり眠って、どんどん美味しく大きく成長していくのです。

ついに食べ頃になったサツマイモを掘りに、子どもたちが畑にやってきましたよ!

これはサツマイモと子どもの真剣勝負!さあ綱引き(イモほり)開始です!!

秋の食べ物とえば、サツマイモですよね!掘るのも楽しくて、そのまま焼き芋にしてもいいし、調理しても美味しくて、おならがプ〜と出てしまっても、あははーっと笑える、最初から最後まで嬉しい食べ物です。

そんなサツマイモたちが、土の中で美味しくなろうと努力している様子が描かれています。畑で抜かれてからも、美味しく楽しく食べてほしいと願っているんだろうな・・・そんなこと感じさせる、ユーモアと美味しさが詰まった作品です。

「わたしたちの勝ちでごわす!」と、西郷さんのようなサツマイモが登場します。そこは、ぜひ口調を真似て読むのがオススメです!

今日ご紹介した絵本はいかがでしたか?寒暖の差が大きい季節だからこそ、温かいお風呂に入って、美味しい物を食べて心も体も元気に過ごしたいものですね。

絵本専門書店員/保育士/介護福祉士

絵本専門店リビング書店です。オススメ絵本紹介のほか、金沢市郊外の小さな本屋で生まれる、小さな日常の物語をお伝えします。

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