「保育園の先生にモヤっとすることを言われた」考えられる事情を現役保育士が紹介「食べるの遅いですよね」
現役の保育士(幼保英検1級)です。
保育園へのお迎え時、先生と話していて「先生、それ親にわざわざ言う必要ある?!」「先生が私に言うことの意味が分からない!」ということを言われた経験がある方がいるかもしれません。
今回は、保育園の先生に言われてモヤっとする一言の裏側を紹介すべく、先生側の心理や裏事情について紹介します。
あくまでも、紹介するのは先生側の都合であることに留意してご覧ください。
「お子さん、食事を食べるのが遅いですよね」
単刀直入に「食べるのが遅い」と言われなかったとしても、「お家での食事のスピードはどうですか」などと遠回しに聞かれた経験がある方もいるでしょう。
先生側の事情としては、食べるのが著しく遅い子がいると食器が片付けられないという事情で、「食べるのが遅い」と言っている可能性があります。
給食が終わると調理室では給食の片づけとおやつの準備があわただしく始まります。
決められた時間におやつを提供できるよう、給食先生も必死です。
給食の食器が片付かないクラスがあると、給食室から「パンダ組さん、片付けの状況いかがですかー」等のフォローが入ったりします。
保育士の職務としては、食べるのが遅い子がいても全く問題がありません。
ただ、早く片付けないといろいろな人に迷惑が掛かってしまうというプレッシャーを感じながら給食に対応しているのは事実です。
「縄跳びや跳び箱がほかの子と比べてできないです」
縄跳びや跳び箱など、運動に関してできないことがあると先生からわざわざ報告を受けると「そんなこと言われても」とモヤっとしますね。
このような場合、運動会が数か月後に迫っているということはありませんか。
筆者が体感するに、保育園という場所は保守的なところがあると感じます。
「年中は全員、運動会で縄跳びを5回飛ぶのを披露する」とか、「年長は必ず跳び箱を飛ぶ演技を入れなくてはならない」など、謎の伝統がある保育園も多いです。
このような場合、「どうしよう、運動会の1か月前なのに〇〇ちゃんだけ飛べない。他の先生に白い目で見られてしまう」というプレッシャーを感じた先生が、このような発言をすることがあります。
年中で縄跳びを年長で跳び箱をなどと、育ちの目標を掲げること自体は悪くないですが。
「土曜日もお仕事大変ですね」
土曜保育を利用している方は「土曜日もお仕事大変ですね」とか、もっと単刀直入に「パパの方は土曜日お休みじゃなかったでしたっけ」などと聞かれることがあるかもしれません。
土曜日は保育園に来ないでくれと言われているようでモヤモヤしますね。
これは、保育園の先生の心理としては口にしている通りで、できれば土曜は保育園を利用してほしくないと思っています。
たった一人園児が登園するだけでも、給食の先生も2名体制で出勤、給食を作ります。
土曜保育には大きな人的コストがかかるのです。
「〇〇君は本当に元気が有り余っていますね」
子どもが元気なことは良いことですが、毎日毎日「元気過ぎる」と先生に言われると、どういう意味だろうとモヤっとしてしまうかもしれません。
この場合、言葉の通りで、先生も「いやあ、元気過ぎる子で大変だわー!」と苦笑しています。
元気な子の場合、お家でも元気でママ・パパも手を焼くことが多いと思いますが、保育園の先生も同じ気持ちですね。
「今日も静かに遊んでいましたよ」
大人しい子であっても、「お子さんは本当に静かですね」と毎日先生に言われると、何が言いたいのだろうモヤモヤとしますね。
この場合、特に他意はないと思います。
正直なところ、先生たちは走り回る活動量が多い子、乱暴な行為をすることが多い子を集中的に見て、ケガ人が出ることを食い止めているところがあります。
このため、危険行為をする可能性が低い大人しい子は、注目してもらいきれないところがあるのは事実です。
本来、先生からは「ブロックでロケットを作っていましたよ」とか「お絵描きでは青や緑のクレヨンを好んで使っていましたよ」とか、具体的に様子を伝えてもらえるのが望ましいですよね。
走り回る子などに手がかかり、大人しい子の具体的な様子まで見きれずに、「今日も静かで」といった具体性のないセリフになってしまっている可能性があります。
手厚い保育ができるよう保育士の配置基準のさらなる見直しに期待したいところです。
まとめ
保育園の先生に言われてモヤっとする一言の裏側を紹介すべく、先生側の心理や裏事情について紹介してきました。
紹介したのは、あくまでも、先生側の都合や心理であるため、気になることがあれば先生に直接質問することをおすすめしますよ。
単なる誤解だったということも多いです。
保育園と保護者とが強い信頼関係で結ばれることを願っています。