【膣と直腸が貫通!直腸膣瘻闘病記⑬】突然の発熱と主人の気づき
私は長男を出産したときに直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)という、出産にともなう後遺症を患いました。
現代では、母子共に安全に生まれてくるのが当たり前になりつつあります。
しかし、実際には命の生まれ出る瞬間に必ずしも五体満足で経過するわけではありません。
また、子どもが無事でも、母体がダメージを受けてしまうこともあるでしょう。
私もその一人。出産直後にはなんともなくても、出産して数日たった後に「直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)」が発覚しました。
今回は第13話。
前回は、主人だけが体調の違和感に気がついている状況でした。
今回は、静かに忍び寄っていた異変が爆発します。
情報収集の日々からの突然の発熱
毎日、直腸膣瘻について情報収集を続けていたある日、突然発熱してしまいました。
体が寒さに震え、40度近くの高熱が体を襲ったのです。何もしていないのに熱のせいで体が火照り、寒気が全身を包み込みました。
「熱が出たら終わりだよ」との、医師の言葉が頭の中でリフレインします。
心の底から不安がこみ上げてきました。これまでの努力が水の泡になってしまうのではないかと、恐れが広がり、絶望に打ちひしがれました。
医師の反応と落胆
主治医や総院長が部屋に入ってくると、彼らの顔には明らかに不安の色が浮かんでいました。「感染が起きてしまったか…」と、肩を落とした医師たちの表情が私の心に重くのしかかります。
彼らの反応を見て、私はさらに心配になりました。私自身も、「やはりストーマじゃないとダメなんだ…」とひとしきり泣きました。このままの状態では、根本的な解決には至らないのではないかという思いが、私を絶望的にさせていました。
急遽主人の呼び出し、インフォームドコンセント
病状説明と今後の治療方針を話し合うために、急遽主人が呼ばれました。主人が部屋に入ってくると、彼の目に心配の色が見えました。
主治医から「発熱が起きてしまって…、体内で感染しているかもしれない」と説明が入り、治療方針についての話し合いの場が設けられました。
彼も私の状況を心配しているのが伝わりました。
医師とのインフォームドコンセントの場で、主人から医師に対して申し出がありました。
「実は、数日前から妻の尿カテーテル内の浮遊物が気になっていました。日に日に増えてきている」と彼は言いました。その言葉に、私も意識していなかった浮遊物の存在が顕在化していきました。
彼の声は、心配と疑問で揺れていました。「尿路感染の可能性があると思います。調べていただけませんか?」と、強い意志を持って医師に訴えてくれたのです。
主人の支えと冷静な視点、発熱原因の別の可能性
私自身、日々のストレスと痛みの中で、自分の身体の状態をしっかりと確認する余裕はありませんでした。
主人の指摘は、私にとって目を覚ますようなものでした。
これまで自分がどうなっているのかを無視してきた自分を反省しつつ、感染の可能性に対する不安が胸を締め付けます。
※この後、一部汚染物を想起させるイラストが入ります。閲覧にはご注意ください
自分で自分の体調に気がつけなかった落ち度。看護師たちの日々の忙しさを目の当たりにしていたため、できる限り負担にならないようにしたからこその情報が遮断されてしまった環境。
私は危うく、発熱の原因を先入観で判断し、今までの努力を無駄にするところでした。
主人の気遣いと冷静な観察眼は、私にとって大きな支えとなりました。彼は私の状態を気にかけ、冷静に判断し、情報収集してしっかりと医師に伝えてくれる。
彼がそばにいることの、安心感とこれほどまでに頼り甲斐のある存在だったことに心から幸福感を得たのです。
主人と医師の話し合いの結果、尿路感染の検査が行われることになりました。私自身も、これが良い方向へ進むきっかけになることを願っていました。
尿路感染であれば、適切な治療が施されることで、少しでも早く回復に向かうことができるはずです。
そんな期待を胸に抱きながら、良い検査結果になることを祈るばかりでした。
14話に続く
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