全般不安症の発症要因や防ぐための方法について。
こんにちは、精神科医しょうです。
「全般不安症」は、ささいなことが心配でたまらず、食欲不振や睡眠障害が続き、日常生活を送ることが困難になる恐ろしい病です。
どのような状況においても、不安が付きまとうため心が休まることがなく、放っておくとうつ病などの大きな病につながる恐れもあります。
健康な人には不安が常に付きまとう感覚は想像がしづらいかもしれませんが、四六時中、ネガティブな考えや感情に心身を支配され、非常につらく苦しい状態にさいなまれます。
全般不安症になりやすい人の特徴としては、自分を否定しがちな人や何事にも完璧癖を求める人、HSP気質を持つ人などがあげられます。
全般不安症を発症すると、自力で治すことは困難なため医療機関を受診して適切な治療を受けることが必要になります。
今回は「全般不安症」についての知見を深めていきたいと思います。
「全般不安症」の発症要因は?
全般不安症を発症する要因としては、「環境」「性格」「遺伝」「脳の働き」などが関係していると考えられています。
脳内のセロトニンが不足すると、抑うつ気分や不安が強くなるため、全般不安症を発症する原因の一つとされていますが、明確な要因についてはまだ解明されていません。
全般不安症は単体で発症することはあまりなく、他の不安症やうつ病を併発しやすいとも言われています。
男女比は女性の方が発症するリスクが高いとされており、幅広い年齢でみられます。
今感じている「不安」の度合いはどのくらい?
眠れない、食欲がない、落ち着かないなど、不安を抱くと心身に大きな影響が出てしまいます。
2週間以上このような症状と不安が続いている場合には、すぐに医療機関を受診することで改善を図ることをおすすめします。
全般不安症の目安として、以下のような症状があげられます。
今、自分が感じている不安と照らし合わせて、複数該当するようであれば、早期に医療機関を受診しましょう。
・心配することを止められない
・感情をコントロールできない
・色々なことを心配し過ぎてしまう
・家や部屋でリラックスできない
・じっとしていることができないほど落ち着かない
・イライラとしたり、焦りを感じたりする
・何も無いのに恐ろしいことが起こるのではないかと気が気でない
「全般不安症」を防ぐためには?
全般不安症を予防するためには、自分の性格と上手に付き合うことが大切になります。
先述した自分を責めたり否定しがちな人や完璧を求めてしまう人、繊細なHSP気質を持つ方は、ついつい心身を疲弊させてしまうような仕事の仕方や人付き合いをしてしまう傾向があるため、注意が必要です。
しかし、これらの気質は一概に否定されるものではなく、状況によっては望ましい成果や人間関係を生み出すこともあります。
自分が全般不安症になりやすい性格をしていると感じている場合は、次のような点に気を付けて過ごしてみましょう。
・情報はほどほどに
最近はニュースや新聞、ネットなどを見ることで、不安を感じてしまうことが少なくありません。
世の中の動向を知ることは重要なことではありますが、苦しいと感じる場合は、時間や媒体を決めるなどして、あまり色々な情報を見ないようにすると良いかもしれません。
・十分に休養する
「ネガティブなことしか考えられなくなっている」「視野が狭くなっている」「一人になりたい」と感じたら心身が疲れているのかもしれません。
早い段階で心身の声を受け止め、自分を休ませてあげるようにしましょう。
・規則正しい生活を心がける
基本的なことですが、なかなかできないものですよね。
「食事」「睡眠「運動」どれかができていないと自律神経のバランスが乱れ、心身に悪影響を及ぼしてしまいます。
社会生活を送っていると時間が無いことを理由にどれかをおろそかにしてしまいがちですが、明日の自分のためにも規則正しい生活を心がけましょう!
・とらえ方を見直してみる
全般不安症の人はしばしば、考え方に固執していることがあります。
「どんなことでも上手くやらなければならない!」というとらわれた考えが「完璧にできない私はダメな人間だ!」と自分を追い込み、病を発症させてしまいます。
完璧にできることに越したことはありませんが、できなかったからと言って、人間性までも否定することはありませんよね。
今回はこれくらいで十分と思って臨むことも立派なことです。
まとめ
今回は「全般不安症」について解説してみました。
全般不安症に限らずどんな病でも、その症状が表れる原因が自分の性格や行動、対人関係のどこにあるか気づき、それに応じてライフスタイルを変えることで大きく改善します。
不安の感じ方は人それぞれですが、2週間以上、漠然とした不安が続く場合は、一度医療機関を受診してみましょう。
早期に治療することができれば、つらい症状が長引かずに済むはずです。
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