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しつこい人を諦めさせる!驚くほど気持ちいい「断り方」を営業コンサルタントが教えます

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて著者作成)

どんなにデジタル社会となっても、私たちの生活、ビジネスの現場には、しつこい問題が潜んでいる。

それは、断りにくい誘いや要求だ。友人、同僚、ときには見知らぬ営業からの電話や訪問に対処しなければならないのだ。

では、このようなしつこい誘いにはどうしたらいいのだろうか?

そこで今回は、営業コンサルタントならではのテクニックを紹介しよう。

驚くほど気持ちいい「断り方」だ。どんなに鋭い「切り返しトーク」をされても、3つのポイントを押さえるだけで、簡単に断ることができる。無用な対立を生じさせることもない。

近くにしつこく誘ってくる上司がいる、営業電話がかかってきて困っている人等は、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

■ポイント①「理由を言わない」

まず何といってもコレだ。

「理由を言わない」

しつこい人からの誘いやお願いに対して断るとき、理由を詳しく説明することは避けよう。理由を言ってしまうと、相手に余計な情報を与えてしまい、説得の余地を残してしまうからだ。

たとえば食事に誘われたときには、

「今日はどうしても大事な用事があるので」

と断ると、

「なら、いつだったらいい?」

と切り返されるだろう。相手は断られるケースを想定して誘っているからだ。切り返しトークも準備している。他にも、

「2人で食事に行くのはちょっと……」

と言って断ると、

「誰と一緒ならいい? 隣の部署のAさんも誘おうか?」

などと切り返される。

なので理由を言わず、単純に「無理です」と伝えることだ。できれば笑顔で言おう。

「ごめんなさい」

と。

断るなら理由も一緒に添えることが常識だ。そう誰もが思い込んでいる。しかし理由もなく断られると、誘ったほうは切り返す心の準備ができない。

相手が戸惑っている合間に、

「それでは失礼します」

とその場を離れるか、

「ところで課長、来週の会議の件で相談させてください」

などと、こちらから別の話題を持ち出そう。そうすることで、しつこく誘われることを避けられる。

■ポイント②「条件を与えない」

次のポイントは、相手の誘いやお願いに対して、具体的な条件を入れて受け答えしないことだ。

相手が巧みに、二者択一の質問をしてきたとする。

「今度、映画でも観にいきませんか。邦画と洋画なら、どっちがいい?」

こう尋ねられると、ついつい

「どっちかというと、邦画でしょうか」

と答えてしまうだろう。すると、

「『ゴジラ−1.0』が上映されているよね? 一緒にどう?」

と誘われる。

「怪獣映画は、そんなに興味がないです。怖いし」

と断っても、

「だったら二宮和也が主演している『アナログ』なんてどう? ヒューマンドラマだよ」

と切り返される。こうなると、断りづらくなっていく。一回ぐらい付き合ってもいいかと、断ることを諦める人もいるだろう。

「その映画もイヤ。この映画もダメ」

と言い続けるのが難しいからだ。「邦画のほうが好み」と条件を入れて受け答えててしまったことが要因だ。

だからこの場合は、

「今度、映画でも観にいきませんか。邦画と洋画なら、どっちがいい?」

と質問されても、

「行かないです」

と笑って応じることだ。つまり、質問には答えないことが正解。

「映画には行かないです」

と答えるのもやめよう。

「遊園地ならいい?」

と切り返される可能性がある。大事なことは条件を与えないことだ。どんな条件であろうが、

「あなたとは、どこにも行かない」

「あなたからは、何も買わない」

と意思表示する。この潔さが大事だ。

■ポイント③「無関心&無表情」

あまりにしつこい場合は、最終手段である。

しつこい人からの誘いやお願いに対して、無関心な態度や無表情を装うこと。相手がどれだけ説得しようとしても、自分が無関心であるように見せることで、相手は徐々に諦めるだろう。

そのためにはまず、リアクションしないことだ。まずは悪い例を紹介する。

「一緒に食事でもどう? イタリアンとか好き?」

「そうですね、イタリアンは好きです」

「よく食べにいくの?」

「友だちと夜、一緒に食べにいくときがあります」

「それならイタリアンを食べにいこうよ」

「ええ、まあ……」

こうなってしまう。ついついリアクションをしてしまったからだ。次は、良い例だ。

「一緒に食事でもどう? イタリアンとか好き?」

「う……ん」

「たまにイタリア料理とか、食べない?」

「どうでしょう……」

「……」

反射的にリアクションしてしまうと、会話が盛り上がってしまう。そうすると相手はどんどんヒートアップする。だから相手の熱を冷ますためにも、会話を盛り上げないことだ。リアクションしないことが一番である。

そうすると、イタリアンに関心がないのではなく、自分自身に関心がないのだなと相手は気付く。

世界の大ベストセラー『7つの習慣』にも書かれている。反応型の人間になってはいけない。自分の意思で主体的に選択できる人間になろう。

無関心を装っても効き目がないのなら表情も「無」にする。厳しい表情をすると相手は不快な気持ちになるだろう。なので、体調が悪いときのことを思い出して、表情を消すのだ。

そうすると、相手もさすがに察するだろう。

無関心&無表情でも効果がないなら、身近な人に相談しよう。そこまで察する力がない相手なら、とても迷惑な人間だ。

営業は、その気がない相手を、いろいろなテクニックによって「その気」にさせるプロだ。その逆をやることで、相手が「その気」でなくなっていく。

■まとめ

優柔不断な態度をとると、相手は期待してしまう。営業もそうだ。まるで買う気がないのなら、最初からハッキリ断ってほしいと思っている。潔く断ってくれたほうが、潔く諦められるものだ。

まとめると、しつこい人からの誘いやお願いに対しては、

・理由を説明しない

・選択肢や条件を与えない

・無関心&無表情を装う

これら3つのポイントを意識すること。職場のみならず、日常生活でも役立つテクニックだ。なかなか断れない人は、ぜひ実践していただきたい。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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