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アイヌ語でジャズを歌った熊谷たみ子さん逝く

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
<訃報>熊谷たみ子さん60歳=アイヌ民族のジャズ歌手 (毎日新聞)
<訃報>熊谷たみ子さん60歳=アイヌ民族のジャズ歌手 (毎日新聞)

<訃報>熊谷たみ子さん60歳=アイヌ民族のジャズ歌手

ジャズ・ヴォーカリストの熊谷たみ子さんが亡くなりました。

熊谷たみ子さんは、20歳で歌謡曲の歌手としてデビューしたものの売れずに渡米。帰国後に結婚し、子どもを育てながらジャズ・ヴォーカリストとして歌い続けていたそうです。2009年に大腸がんが再発したことをきっかけに、自分がアイヌ民族であることを公表。

「それまでアイヌと公表していなかった。でも、限られた命と分かり自分自身に嘘をついているような気がしてね」(引用:「毎日新聞」2011年9月15日/明珍美紀)

以降、「アメイジング・グレイス」などをアイヌ語で歌いながら活動を続けていました。

ジャズは出自がレイス・ミュージック(1920 年代から 40 年代にかけての黒人大衆音楽をさす総称。初期のリズム・アンド・ブルースまでをいう。/Yahoo!辞書)であることを考えると、彼女がジャズを選んだのはある意味で“必然“だったのかもしれません。そして、だからこそ、自分のルーツをジャズに託すことができたのだとも言えるでしょう。

ご冥福をお祈りします。

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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