アイヌ語でジャズを歌った熊谷たみ子さん逝く
ジャズ・ヴォーカリストの熊谷たみ子さんが亡くなりました。
熊谷たみ子さんは、20歳で歌謡曲の歌手としてデビューしたものの売れずに渡米。帰国後に結婚し、子どもを育てながらジャズ・ヴォーカリストとして歌い続けていたそうです。2009年に大腸がんが再発したことをきっかけに、自分がアイヌ民族であることを公表。
「それまでアイヌと公表していなかった。でも、限られた命と分かり自分自身に嘘をついているような気がしてね」(引用:「毎日新聞」2011年9月15日/明珍美紀)
以降、「アメイジング・グレイス」などをアイヌ語で歌いながら活動を続けていました。
ジャズは出自がレイス・ミュージック(1920 年代から 40 年代にかけての黒人大衆音楽をさす総称。初期のリズム・アンド・ブルースまでをいう。/Yahoo!辞書)であることを考えると、彼女がジャズを選んだのはある意味で“必然“だったのかもしれません。そして、だからこそ、自分のルーツをジャズに託すことができたのだとも言えるでしょう。
ご冥福をお祈りします。