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44本塁打の外野手がFAとなったオリオールズに31本塁打の外野手が入団。そのプラスマイナスは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
タイラー・オニール Jul 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスからFAになったタイラー・オニールは、来シーズン、ボルティモア・オリオールズでプレーするようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらが、3年4950万ドル(2025~27年)の契約で合意、と報じている。2025年のオフにオプト・アウトできるという。

 オニールを手に入れたオリオールズは、こちらもFA市場に出たアンソニー・サンタンデアを呼び戻そうとはしないだろう。サンタンデアは、ライトを定位置としていた。2025年の外野は、センターを守るセドリック・マリンズの両隣に、オニールとコルトン・カウザーが位置するはずだ。

 カウザーは、新人王の投票で101ポイントを得た。受賞したルイス・ヒール(ニューヨーク・ヤンキース)との差は、5ポイントしかなかった。オリオールズには、カウザーと同じく2023年にメジャーデビューした外野手、ヘストン・カースタッドもいる。

 サンタンデアは、2024年に44本のホームランを打った。オニールは、31本塁打だ。サンタンデアと比べると、13本少ない。もっとも、ホームラン1本当たりの打数は、サンタンデアが13.52、オニールは13.26なので、ほとんど違わない。わずかながら、オニールのほうがハイペースだ。

 また、サンタンデアは、外野を守るよりも、DHのほうが適任だと思われる。オニールは、2020~21年にゴールドグラブを受賞した。

 2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、ともに30歳だ。シーズン30本塁打が2度という点も、彼らは共通する。

 ただ、オニールは、怪我が多い。出場140試合以上のシーズンはなく、三桁に達したのも、2021年(138試合)と2024年(113試合)の2度。サンタンデアは、ここ3シーズンとも150試合以上に出場している。健康を維持できれば、オニールはサンタンデアよりプラスになり得るが……といったところだ。

 ちなみに、オリオールズは、本拠地としているオリオール・パーク・アット・カムデンヤーズに変更を施す。右打者のオニールには、有利になる。サンタンデアは、スイッチ・ヒッターだ。

 カムデンヤーズの改装については、こちらで書いた。

「球場改装でレフト方向のホームランを出やすくするのは、テオのような右のスラッガーを迎え入れるため!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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