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松山英樹が五輪2日目に暫定3位の快進撃を見せるも、、、気になった「3度のある仕草」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 松山英樹がリーダーボードを駆け上がった。五輪ゴルフの初日は前半で4つスコアを伸ばしながら、9番と11番でボギーを喫し、「後半はうまくできなかった」と不満を露わにしていたが、「明日いいプレーができるようにしたい」と語った自身の言葉通り、2日目は6つスコアを伸ばす快進撃を見せた。

 17番のグリーンをしっかり捉えた時点で、この日2度目の雷雨中断となり、そのまま土曜日へ順延となった。

 18ホールを終えていない「プレー途上」ゆえ、いわゆる囲み取材は行えず、この日の松山の胸の内を直接尋ねることはできなかったが、20位タイから、首位と3打の暫定3位タイへと大きく順位を上げた松山は、母国の大きな期待に応えようとしている。

【6ホールで3度も仕切り直し】

 初日は終盤に近づくにつれ、体力気力が徐々にフェードアウトしていくように感じていたという松山。その「フェードアウト感」がコロナ感染や10日間以上に亘った自主隔離生活の影響なのかどうかは、おそらく松山自身でさえ断言できないことだと思う。

 しかし、五輪ゴルフの真っ只中の今、追求すべきものは、コロナとゴルフの因果関係ではなく、どうしたらいいゴルフができるか、どうしたら金メダルが取れるかということだ。

 開幕前から「不安はある」と語っていた松山が、その不安を抱えながらも「どうしたらいいか」「何をすべきか」にフォーカスしたからこそ、2日目の快進撃が実現できたのだ。

 だが、松山のゴルフを眺めていて、気になることも、実を言えばある。

 2日目は後半のティショットの際に3度も仕切り直しをした。12番はドライバーを握った両手がほぼトップの位置まで来たところで、テークバックを止め、最初からやり直した。14番でもドライバーを握った手を止めて仕切り直したが、仕切り直して打った打球は大きく右に飛び出してラフにつかまり、スコアを伸ばしたいパー5で、なんとかパーを拾うゴルフになった。

 そして、17番ではアイアンを握った手を止めて、仕切り直した。

 わずか6ホールで3度も仕切り直す松山をこれまで一度も見たことはなく、テークバック途上で手を止めた彼が感じたであろう違和感が、どうにも気になって仕方がない。

 チーム・ジャパンを率いる丸山茂樹ヘッドコーチは「(調子が)いいときより、上体がスムーズに回っていなくてギチギチしているのかな。そこからアジャストするから、ズレがあるのかな」と初日に分析していたが、2日目はそのズレが、違和感へ、仕切り直しへとつながったのかもしれない。

 しかし、逆に言えば、それだけ頻繁に仕切り直しをしながら、6バーディー、ノーボギー(16番まで)の見事なスコアをマークして、暫定3位タイまで浮上した松山のリーダーボードの駆け上がり方は目覚ましい。

 違和感があっても、納得がいくまで試し続ける時間的余裕は、今はない。コロナ感染から回復後の最初の実戦が東京五輪になってしまった流れの中で、できることをできるようにやり、最善を尽くして最高の結果を掴み取る。

 「妥協点」ではなく「最善点」を見つける作業が、今日の松山が見せた3度の仕切り直しだったのではないだろうか。

 大会側を通じて出した松山のコメントは「度重なる中断があった中でも自分としては良かった。このまま明日も調子をキープできるよう、しっかり準備して、第3ラウンドにつながるように頑張ります」。

 そう、そのまま、今のままで、週末2日間を駆け抜けてほしい。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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