【京都市右京区】時代劇好きに朗報!日本映画の聖地巡礼ツアーを一足先に体験してきました
【京都・太秦】日本映画 聖地巡礼ツアー
本日12月1日は「映画の日」ですが、日本映画を育んだ2大都市といえば「時代劇の京都」と「現代劇の東京」です。
そして京都・太秦の地には、半径1.2kmほどの範囲に、大小合わせて13ヶ所の撮影所と映画関連施設が次々と誕生。「日本のハリウッド・太秦」と称されてきました。
そんな「日本一の映画の街」をさらに活性化させるため、
- 実際の映画製作の現場に没入体験できる旅「日本映画 聖地巡礼ツアー」
- 京都で育まれた映画遺産を後世に語り伝えるWEBサイト「ニッポン・シネマレトロ・キョウト」
がこの度誕生しました。
本日は「日本映画 聖地巡礼ツアー」のプレスツアーにご招待いただいたので、一足お先に体験させていただいた様子をご紹介します。
東映株式会社 京都撮影所からスタート
ツアーは東映株式会社の京都撮影所からスタート。
嵐電「撮影所前駅」から徒歩2分ほどで到着します。
俳優養成所
「俳優養成所」館内には、未来の大スターたちの名札がずらり。
時代劇出演に向けて、演技だけでなく、着物の所作や立ち振る舞い、茶道や華道、さらには乗馬の訓練などを受けているそうです。
また、時代劇といえば殺陣シーンですが、剣道と違い、パフォーマンスとしての格好良さが求められるため、大きな鏡張りの練習室にて演技研究できるようになっていました。
お稲荷さんと龍神さん
俳優養成所の前には、お稲荷さんと龍神さんが祀られており、クランクインの時には、監督さんや俳優さんたちがお詣りされるそう。
手水鉢には有名俳優さんたちのお名前も彫られています。
衣裳倉庫
「衣裳倉庫」には、所狭しと何万点もの着物衣裳が保管されていました。
時代劇には、お殿様やお姫様だけでなく、一般庶民や百姓なども登場するため、こうした綺麗な着物もリメイクされながら、長年にわたり使い続けられているとのこと。
倉庫の外にも、一見すると汚れた布に見えますが、れっきとした衣裳がかけられていました。
俳優会館
「俳優会館」は、出番に備えて俳優さんたちがスタンバイする場所。
主演俳優さんは2階の部屋を使われることが多く、3階は斬られ役の方々の部屋や、トレーニングルームがあるそうです。
小道具倉庫
「小道具倉庫」で見せていただいたのは『銭形平次』の撮影で使われたという銭。
撮影シーンに合わせて色々なタイプの銭が用意されており、写真のものは回転する用の銭です。
その他『桃太郎侍』の鬼の面など、貴重な小道具を見せていただきました。
美術棟
「美術棟」にも時代劇のセットが所狭しと保管されています。
京都・太秦が映画の街として発展した理由の一つに、セット作りに欠かせない森林資源が豊富だったことがあるそうで、木材加工施設も併設されています。
お地蔵さんや石塔などは棚の上の方に積まれており、「万が一落ちたら危ない」と思ってしまいますが、これらは全て発泡スチロールでできています。
米俵もたくさん保管されていましたが、米俵も全て発泡スチロール製。
とっても軽い物を、いかに自然に重たそうに運べるかも、演技の見せ所です。
また写真の石には苔が付いていますが、これは何で表現されているかご存知ですか?
答えは「青海苔」とのこと。
こうしたエイジング加工一つとっても、職人さんの工夫が詰まっています。
続いて、大映通り商店街へ
撮影所を後に、続いては徒歩5分ほどで到着する「大映通り商店街」へ。
映写機の形をした街灯や映画フィルムを模した歩道、ユニークな暖簾など、あちこちから映画の街を感じることができます。
「キネマ・キッチン」で「大魔神弁当」を
商店街で待っていてくださったのは、太秦在住の俳優・浅井誠さんです。
高校生で役者デビューされ、それ以降『暴れん坊将軍』や『水戸黄門』など数々の作品に出演されています。
「キネマ・キッチン」でツアー限定「大魔神弁当」をいただきながら、映画撮影の裏話を伺います。
今では見かけませんが、時代劇全盛期の頃は、こうして時代劇衣裳のまま多くの俳優さんたちがカフェやパチンコ店に通っていたそうです。
なお「キネマ・キッチン」には、映画のポスターや台本など、貴重な資料がたくさん展示されていますので、ゆっくりご覧になってみてください。
『七人の侍』の台本も、スタッフの方にお声かけすれば、実際に手にとって中を読むことができます。
三吉稲荷神社
ランチの後は、日本映画 聖地巡礼ツアー再開。
映画神社として知られている「三吉稲荷神社」には、有名な監督さんや俳優さんの絵馬も飾られています。
「傑作祈願」と記されたカチンコ絵馬に、あなたも願いを書いてみてください。
大魔神像
商店街を歩きながら
「夜間撮影の時は、ここのお寿司の差し入れが楽しみだった」
「ここは映画○○の撮影で使われた場所です」
「撮影終わりは、よく俳優仲間とこのお店にきていた」
など楽しくお話を伺っていると、到着したのが巨大な「大魔神像」。
1年間でシリーズ3部作がつくられた特撮時代劇で、製作費は1億円。
青い光の特別な演出には1,000万円という巨費が注ぎ込まれたそうです。
蛇塚古墳
続いては住宅街の中にある「蛇塚古墳」へ。
古墳時代後期末の京都府下最大の横穴式石室ですが、この古墳も『羅生門』はじめ、様々な映画作品の撮影現場となってきたそう。
松竹撮影所
そして本日のツアー最後は、株式会社松竹 撮影所です。
映画製作の現場と映画撮影の裏話にワクワク
東映撮影所〜大映通り商店街〜松竹撮影所と巡った、日本映画 聖地巡礼ツアー。
普段は入ることができない映画製作の現場。
普段は聞くことができない映画撮影の裏話。
時代劇に詳しくなくても、わくわく楽しい時間となりました。
ニッポン・シネマレトロ・キョウト
京都で育まれた映画遺産を後世に語り伝えるWEBサイト「ニッポン・シネマレトロ・キョウト(外部サイト)」では、26ヶ所の撮影所の写真や、時代劇の大スター・大河内傳次郎さんのチャンバラ姿など、貴重な資料がまとめられています。
日本映画 聖地巡礼ツアー
直近では12月24日(土)と25日(日)の2日間限定、最高12名までのスペシャルツアーが予定されています。
今回のプレスツアーよりも、さらにバージョンアップし、俳優さん指導のもと殺陣レッスンを受けれたりと、盛り沢山な内容になるそう。
詳細は、同じく「ニッポン・シネマレトロ・キョウト」にてご確認ください。
久しぶりに新作の時代劇映画が1月に公開
時代劇は大正〜昭和と100年にわたり京都が作り出してきた大衆娯楽文化。
そして2023年1月27日には、久々の東映京都時代劇映画『レジェンド・バタフライ』(木村拓哉さん、綾瀬はるかさん出演)が公開されます。
時代劇が、そして太秦の街が、来年はより盛り上がりそうです。
撮影協力:京福電気鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、株式会社東映京都スタジオ、東映株式会社京都撮影所、株式会社松竹撮影所、大映通り商店街振興組合(順不同)