この秋ラニーニャ現象発生へ 台風への影響と備え#専門家のまとめ
この春、エルニーニョ現象は終息しましたが、秋にはラニーニャ現象が発生する可能性が高く、世界的な異常気象の連鎖が止まりそうにありません。ラニーニャ現象が台風に与える影響や台風への備えをまとめました。
ココがポイント
▼この秋に、ラニーニャ現象が発生する確率60%
・エルニーニョ監視速報(No.382)2024年6月の実況と2024年7月〜2025年1月の見通し(気象庁)
▼ラニーニャ現象が発生すると、秋に台風の発生が増え、短い日数で上陸する
・2024 年も猛暑か?台風活動はどうなる?(SENSOR No.073 東京海上研究所)(東京海上研究所ニュースレター)
▼防災気象情報の意味を理解して、天気が荒れる前に、対策と避難をする
・大雨や台風の気象情報に注意して 早めに防災対策・避難行動を行いましょう(政府広報オンライン)
エキスパートの補足・見解
ラニーニャ現象とは南米ペルー沖の海面水温が基準値よりも低くなる現象のことです。
夏は太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、猛暑になりやすい。また、台風はいつもよりも北西にずれて、日本に近い海域で発生する傾向があります。
7月以降、台風の発生数が増える
今年は5月に台風1号、2号が発生したものの、6月は台風が発生しなかったため、発生数は平年の半分程度に留まっています。
しかし、例年、7月から10月は台風の発生が多くなる時期です。今年は発生が少ないからといって油断はできません。台風は一年間に25個程度発生し、そのうちの半分が日本に近づいたり、上陸したりします。
台風の発達に猛暑が影響
猛暑は海の水温にも影響します。このところの暑さで、日本近海の海面水温は平年を大幅に上回り、日本の南には30度以上の海域が広がっています。
台風は海から供給される大量の水蒸気により発達します。高温多湿な海域ではより発達しやすくなるといえます。
今後は台風の発生が増え、大型化する可能性があります。今のうちに、台風に備えてください。
【参考資料】
気象庁ホームページ:過去の台風資料
気象庁ホームページ:海面水温に関する診断表、予報、データ