全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「250ccなのに…足まわりの迫力はリッターマシン並！」をテーマにお話ししようと思います。

「見た目にインパクトのあるオートバイ」と聞いて、思い浮かべるモデルは何でしょうか。

人によって、また年代によってもいろいろでしょうが、私は1996年(平成８年)に登場したホンダの250ccスポーツモデル『ホーネット』もなかなか衝撃的なバイクだと思います。

何が衝撃的なのかというと…、タイヤがめちゃくちゃ太い！

なんと、ノーマル状態で前輪に130mm幅(130/70-16サイズ)、後輪にいたっては180mm幅(180/55-17サイズ)のタイヤを履いていました。

このサイズは、ホーネットのデビュー時にホンダの現行車としてラインナップされていた大型スポーツモデル『CBR900RR』と全く同じ。

ホーネットは、250ccのバイクであるにもかかわらず、大型のスーパースポーツ車と同等の足まわりを備えていたのです。

こんな250ccモデルは、後にも先にも他に例がありません。

250ccのバイクのタイヤサイズというと、(現在でも)前輪110mm／後輪130〜150mm程度が相場。

最近のホンダ車で例えるなら、『CB250R』に『CBR1000RR-R』の200mm幅タイヤを取り付けているようなものでしょうか。

このインパクト抜群の足まわりは当時のバイクファンたちのハートをつかみ、ホーネットはデビュー後たちまち人気モデルとなりました。

(ただ、バイク購入後、タイヤの交換費用に泣いたオーナーさんが続出したとか…)

また、ホーネットといえば立体的な燃料タンクも特徴的。

横からの眺めだと分かりづらいですが、タンク側面が大きく左右に張り出していて、グラマラスな輪郭になっています。

(ただ、転倒するとほぼ必ず路面や周囲の物にぶつかるので、タンクのキズに泣いたオーナーさんが続出したとか…)

外装パーツが少なく、個性を演出しづらいネイキッドモデルにあって、ホンダは目立つ箇所へ上手く個性を織り込み、ホーネットを他車と一線を画するオートバイへと仕立てていたのでした。

ホーネットは2007年モデルを最後に生産終了となりましたが、その唯一無二のキャラクターはいまだに人気を集めているようで、中古車として出回っている個体の中には現役時代の新車販売価格を上回るプライスが付けられているものも少なくないようです。

私自身もバイクファンの一人として、ホーネットを街中などで見かけた時は「またホーネットのごとく主張の強い250ccモデルが出てこないかな…」とつい思ってしまいます。

画像引用元：本田技研工業