「せっかく温泉に入るなら湯の質にこだわりたい」という温泉ファンは多いだろう。具体的には源泉かけ流しで、鮮度の高い湯は気持ちよさも格別だ。

温泉が恋しい季節に入りたい、源泉自慢の日帰り温泉を関東エリアに絞って５カ所紹介したい。

濃溝温泉・千寿の湯（千葉県）

千葉県は温泉にあまり恵まれておらず、源泉かけ流しの施設は少ない中にあって、君津市にある濃溝温泉は貴重な存在。男女別に小さな内湯がひとつだけだが、わずかに黄色をおびた透明湯がゆるゆるとかけ流されている。まるで「ジブリの世界」のようだと有名になった「濃溝の滝」はすぐ近く。アクアラインを利用すれば、都内からも十分に日帰り圏内である。ついでに千葉の海の幸を味わたい。

秋川渓谷温泉・瀬音の湯（東京都）

あきる野市の渓谷にある日帰り温泉。東京とは思えない緑豊かな環境にある。内湯は硫化水素の匂いを放つアルカリ性単純温泉がかけ流し。pH10を超える強アルカリ性は貴重だ。露天風呂は循環しているが、緑に囲まれた眺望が良い。都会の喧騒から離れて静かな時間を過ごすにはぴったりだ。今の時期はギリギリ紅葉も楽しめる。

まえばし駅前天然温泉・ゆ～ゆ（群馬県）

前橋駅から徒歩2分の駅前温泉。市街地にあるにもかかわらず、上質な湯が湧く貴重な存在だ。湧出量は毎分455リットルと豊富で、源泉かけ流しを実現している。少し緑色をおびた湯は、よく温まる塩化物泉。駅前という立地なので電車移動できるのもうれしい。

百観音温泉（埼玉県）

久喜市東鷲宮にある日帰り温泉。埼玉県内の住宅街とは思えないほど豊富な湧出量を誇り、内湯、露天ともに源泉かけ流しで提供されている。泉質はナトリウム－塩化物強塩温泉で、塩分が濃厚な温まる湯。寒さの厳しい季節にもってこいの泉質だ。この湯に毎日入るために近所に住みたくなるほど。JR東鷲宮駅から徒歩3分とアクセスもよい。

熊谷天然温泉・花湯スパリゾート（埼玉県）

熊谷市にある日帰り温泉。都心からは電車で約90分。非日常感を得るにはちょうどいい距離だ。いわゆるスーパー銭湯だが、源泉かけ流しの檜風呂には、わずかに黄色をおびた透明湯がかけ流し。体感の泉温は38度くらいのぬる湯。わずかに硫化水素の香りも漂う湯は、地中の植物成分が溶け込んだモール泉の特徴を備える本格派だ。スーパー銭湯の湯とは思えないほど良質な源泉が楽しめる。