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ここ3年の「合計安打ランキング」NPB編。トップ4は横浜DeNAと阪神の選手が2人ずつ

宇根夏樹ベースボール・ライター
牧秀悟 Mar 11, 2023(写真:ロイター/アフロ)

 2022~24年のここ3シーズンに、日本プロ野球で429本以上のヒットを打った選手は、5人しかいない。シーズン143試合に出場し、1試合に1安打を記録すると、3シーズンの合計は、143×3=429本となる。

 トップ4は、横浜DeNAベイスターズと阪神タイガースの選手が2人ずつ。464安打の牧秀悟(横浜DeNA)、457安打の近本光司(阪神)、452安打の佐野恵太(横浜DeNA)、448安打の中野拓夢(阪神)がそうだ。彼らに続く5位には、433安打の岡林勇希(中日ドラゴンズ)が位置する。

 なかでも、牧は、安打が多いだけでない。安打のうち、二塁打が108本を数える。このスパンに三桁の二塁打は、牧しかいない。76本塁打も、120本塁打の村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)と98本塁打の岡本和真(読売ジャイアンツ)に次ぎ、3番目に多い。

 ここ3シーズンの安打トップ40は、見落としや数え間違いがなければ、以下のとおり。安打、単打、二塁打、三塁打、本塁打の本数に、打率と出塁率を記した。

筆者作成
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 この40人中6人は、安打の40%以上を長打が占める。それぞれの割合は、村上が45.5%、岡本が44.7%、佐藤輝明(阪神)が41.8%、グレゴリー・ポランコ(現・千葉ロッテ・マリーンズ)が41.7%、万波中正(北海道日本ハム・ファイターズ)が41.3%、牧は40.5%だ。言い換えると、彼らの単打は、安打の60%に満たない。

 また、40人が2022~24年の各シーズンに記録した安打は、以下のとおり。

筆者作成
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 ここ3シーズンとも140安打以上の3人、牧、近本、佐野は、その前の2021年も含め、4シーズン連続140安打以上だ。牧の安打は、一軍1年目の2021年から、153本→148本→164本→152本と推移している。近本は、6シーズン中5シーズンが140安打以上だが、2年目の2020年は139安打だった。佐野は、2017~19年が計90安打、2020年が132安打で、2021年以降の安打は、165本→161本→148本→143本だ。

 ちなみに、2020年のレギュラーシーズンは1チーム120試合ながら、5人が140安打以上を記録した。最も多かったのは、ともに146安打の柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)と大島洋平(中日)だ。この2人は、ここ3シーズンに336安打と296安打。2024年は、柳田が53安打、大島は23安打だった。

 なお、シーズン100安打以上のストリークは、浅村栄斗(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)と菊池涼介(広島東洋カープ)が継続中の最長だ。2人とも、2013年以降の12シーズンとも、三桁のヒットを記録している。このストリーク中、浅村が120安打を下回ったのは、119本の2024年だけ。その前の2010~12年も含め、通算2000安打まであと36本に迫っている。菊池は、12シーズンのうち、2020年とここ2シーズンが120安打未満だ。こちらは、13シーズンに1700本のヒットを打っている。

 ここ3シーズンの合計本塁打については、こちらで書いた。

「ここ3年の合計本塁打ランキング。トップ3は村上宗隆、岡本和真、牧秀悟。パ・リーグで最も多いのは…」

 ここ3シーズンの安打のメジャーリーグ編は、こちら。

「ここ3年の安打ランキング。トップは3年連続首位打者、安打の80%近くがシングル。大谷翔平は7位」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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