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WBOフェザー級タイトルマッチを控えた両ファイター

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Mikey Williams/Top Rank

 WBOフェザー級チャンピオンのラファエル・“エル・ディビーノ”・エスピノサとロベイシー・ラミレスの試合が近付いてきた。現地時間、12月7日にゴングが鳴る。記者会見での両者の言葉を紹介しよう。

Mikey Williams/Top Rank
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 まずは、チャンピオンのエスピノサ。

 「神から与えられたタイミングは完璧だ。再戦を待ち望んでいたが、今、我々はここにいる。第1戦の時から口にしてきたように、俺はずっとリターンマッチを望んできた。お互いに、人生のすべてを捧げた戦争だったからね。俺にも、彼にも、そしてファンにも2度目の戦いは、当然のことなんだ。

 自分がチャンピオンであることを理解している。チャンピオンとして、自分には大きな責任がある。その結果として、自分はより良い人間になり、ファイターとしても成長している。今、そうした現状を楽しんでいる」

 185センチ、リーチ188センチのエスピノサは言った。

 「自分には身長が高いというアドバンテージがある。それは、誰もが知っているよな。ただ、本音を述べるなら自分にはもう一つ利点がある。リングの上で全力を尽くし、自分を示すつもりでいる」

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 一年前、現チャンプにベルトを奪われたラミレスも話した。

 「ここにいる戦士が我々だけじゃないってのは、周知の事実だな。メインイベントも戦争になるよ。今、この場にいられて嬉しい。ここで、他のチャンピオンたちと一緒になれることに興奮している。俺たちは、一般の人々にこのイベント全体を楽しんでもらいたいと考えている。

 過去のことを話すのは、言い訳に聞こえるので不要だ。ボクシングにおいて言い訳は、決して通用しない。ただ、一言で表現するなら、心身共に100%ではない時にどう戦えばいいのかを、前回のエスピノサ戦で学んだよ」

 キューバの五輪代表選手として、ロンドン、リオと連続で金メダルを獲得した後に亡命してプロに転向したラミレスは、己の足跡にも触れた。

 「先日、両親に再会でき、心底喜びを感じた。あれから6年が経過したよ。自分はキューバに戻れないので、両親と会えて、抱き合って、一緒に時間を過ごせてとても満足だった。この勝利の後にまた同じことができればと願っている。可能な限り、早く両親に会いたいね」

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 初戦を超える熱戦となるだろうか。明日、ゴングだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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