【秋田県大仙市】3月31日閉店!半世紀に渡り大曲で愛された『味よし・味二番』の名物オープンカツとは?
昭和47年創業!120種類以上のメニューを誇る名店『味よし・味二番』とは?
なぜかふたつある暖簾と入口、昭和ビートな店内、そして120種類以上の豊富な品書き。大仙市若竹町にある一軒の老舗食堂が、今月をもってその歴史に幕を閉じる。そう、半世紀に渡り大曲で愛され続けてきた名店『味よし・味二番』である。
元々は『食堂 味よし』と『食堂 味二番』というふたつの店に分かれて営業していたが、昭和61年に2店を統合。仕切りの壁を取り現在の『食堂 味よし・味二番』として営業を開始した。暖簾と入口がふたつに分かれているのは、そのときの名残である。
あの素晴らしいメシをもう一度。今日は私よりも先輩の古き良き大衆食堂で、ひとときの幸せに浸ることにしよう。そんなことを思いながら店の暖簾を……
……と思ったが、よく見たら準備中である。時計をチラ見すると、すでに昼の2時を回っている。マジか。残念だが出直しだ。
「スイマセン。夜は何時から営業してますか?」
念のため女将さんに夜の営業時間を聞いてみた。
「5時からだけど、また来るの大変でしょうから良いですよ。入ってください」
「ま、マジすか!」
昭和から続く大衆食堂の懐は、深い。
品書き
サービスメニュー
カツカレー(サラダ付):1,000円、カレーライス(サラダ付):900円、チャーハン(サラダ付):900円、オムライス(サラダ付):900円、チキンライス(サラダ付):780円、オープンカツ:1,000円など。
麺類
特製焼きそば:800円、みそラーメン:800円、チャーシューメン:830円、天ぷらうどん・そば:650円、天ぷら中華:700円、豚にらもやしラーメン:900円など。
定食
エビフライ定食:1,600円、とんかつ定食:1,250円、焼肉定食:1,180円、ニラレバ炒め定食:1,000円、メンチカツ定食:1,050円、肉入り野菜炒め定食:1,000円、カキフライ定食:1,100円、ホルモン定食:1,100円など。
丼物
天丼:1,080円、カツ丼:800円、牛丼:800円、焼肉丼:800円、親子丼:720円など。
冬物メニュー
上鍋焼うどん:1,000円、並鍋焼うどん:900円、カツカレー鍋焼うどん:1,100円、ぞうすい鍋焼うどん:1,080円
おかず
ホルモン煮込み:650円、ギョウザ:530円、湯豆腐:550円、冷や奴:250円、豚汁:400円、レバニラいため:650円
『味よし・味二番』の魅力のひとつがその豊富なメニューだ。創業から半世紀、徐々に増えていったその品数は現在120種類以上にも上る。まさに腹ペコにはたまらない世界だが、今回私がチョイスしたのは、この店の名物にして「大曲3大ソウルフード」のひとつでもあるオープンカツだ。
老舗食堂で味わう大曲の伝統メシ!『味よし・味二番』のオープンカツとは?
オープンカツが到着。カレーの上に鎮座する揚げたてサクサクのトンカツが食欲をそそる。そしてノスタルジックなカレーの海に隠れているのは白いご飯ではなく、ケチャップの酸味が効いたチキンライスだ。
大曲三大ソウルフードといえばこれまで『弁天』の「大曲納豆汁」や『和ダイニングふじ』の「大曲カレー旨麺」を紹介してきたが『味よし・味二番』の「オープンカツ」も大曲で代々受け継がれてきた伝統メシのひとつである。
柔らかくてジューシーなトンカツ、グリーンピースが添えられた昔ながらのカレー、そして甘い味付けのこってり系チキンライス。それぞれの個性が喧嘩することなく、一枚の皿の上で躍動している。隣のフレッシュなサラダも箸休めに嬉しい。
元々は1970年頃、大曲駅前商店街にあった喫茶店の名物だったこのオープンカツ。なかなかワンパクな一品だが、私のスプーンはとどまることを知らない。ボリューム的にも大満足だ。
昼の営業時間ギリギリアウトなタイミングで訪れた私だが、昭和47年から続く老舗食堂にはまだ数名のお客さんが残っていた。
「ごちそうさま」「うめがった」「まだくる」
そんなシンプルな言葉の節々に『味よし・味二番』が、これまで築き上げてきた歴史を感じた。まもなく卒業のときを迎える花火の街の愛され食堂。その看板は大曲の街並みで鮮やかに輝いている。
【店舗情報】
味よし・味二番
住所:秋田県大仙市若竹町31-27
営業時間:11時~14時頃、17時~20時頃(材料が無くなり次第閉店)
電話番号:0187-63-3276
定休日:不定休