【オートバイのあれこれ】「Force V4」。’80sホンダのシンボリック・レプリカ
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今日は「“Force V4”。’80sホンダのシンボリック・レプリカ」をテーマにお話ししようと思います。
1980年代に日本のバイクシーンを沸かせた、レーサーレプリカモデル。
今の基準から考えると、当時のレプリカモデルはどれもレーサーマシンさながらの手の込んだ作りとなっていたわけですが、そのなかでもとりわけ贅沢に感じられたのが、1989年(平成元年)にホンダからリリースされたNC30型『VFR400R』でした。
最大の注目ポイントが、中型クラス(400ccクラス)でありながら、V4(V型4気筒)エンジンを搭載していたこと。
パラツイン(並列2気筒)エンジンが主流になっている昨今の400ccクラスからすると、「V4の400」なんて、かなり贅沢に感じられるのではないでしょうか。
またフレームに関しても、兄貴的存在だった『VFR750R』(RC30)のそれに準じたものが投入されていました。
RC30は今で言うところの『RC213V-S』のようなプレミアモデルでしたから、RC30と同様のフレームが用いられたというのも、VFRの贅沢ポイントの一つだったと言えるでしょう。
ここで答えを明かすと、NC30型VFRの正体はズバリ「RC30を模したモデル」。
その開発テーマは「RC30のライディングフィールを400ccで再現する」というものでした。
NC30のフレームにRC30の同等品が使われたのは、このテーマがあったからなのですね。
各部のディメンション(シャシーと車輪の位置関係など)もRC30を参考に決定された結果、NC30は見事RC30のレプリカとして形になったのでした。
発売後、NC30は当時のスペック至上主義の下に大ヒット。
デビューイヤーの’89年、年間販売台数ランキングの400cc部門において早々に首位を獲得することとなりました。
そのディテールをもっと掘り下げて観察すると、さすがにRC30の贅沢さには敵わないことが分かるものの、それでもNC30は他の400ccモデルからすると格別のハイグレード感をまとっていたと言えるでしょう。
画像引用元:本田技研工業