宗像市広陵台・赤木の里敷地内にある手打ちうどんの店「神風亭」は、市外からくるファンも多い人気うどん店です。
麺にこだわり、つゆにこだわり、ほかでは見ないメニューがずらり！
ほとんど店を休むことがないと、明るく話す店主の人柄にも、人気の秘密があると確信しました。

◇神風亭の店舗外観

手打ちのうどんもそばも絶品と評判の「神風亭」は、宗像市広陵台にある生産者直売所「赤木の里」に隣接しています。

また、道路をはさんで目のまえに見えるのは、以前紹介した「広陵台中央公園」です。

年季の入った看板は、おいしさを守りながら長年多くの人に愛され続けてきたあかしでしょう。

ランチタイムを過ぎた時間帯にたずねたのですが、店内は満席でドアの外には数名の列ができていました。
店の外におかれた客席では、家族連れが食事を楽しんでいます。

◇神風亭の店内

しばらく近隣で時間をすごしてから店をのぞくと、ようやく一段落したのか店内は落ちついた様子です。

カウンター席が7席、入り口のテーブル席が2席、小上がりには8名ほどすわれます。

◇神風亭メニュー

テーブルにおかれた小さなお品書きにはうどん・そばとあり、どちらも手打ちなのに値段はリーズナブルです。
手打ちうどんは太麺・中麵・細麺から選べて、手打ちそばとの差額が50円と、こちらも格安なのにおどろきました。
ほかにご飯もの・トッピングがあって、終わりにはうどん・そば「替え玉」とあります。
ラーメン店以外では、あまり聞かないシステムです。

カウンターの上には、オリジナルメニューらしいボードがあります。
オーダーに迷っていると、店主がていねいにわかりやすく説明をしてくれました。
・うどんの麺の太さが3種類、そばは2種類あること。
・当然、麺によって10種類の湯がき方をするので、時間を要する。
・特に細麺うどんの手打ちは他店ではあまりない。
・うどん店なのに替え玉ができること（うどん・そばどちらも）。
・麺に合わせてスープも何種類にも分けて作っていること。
・トマトやアサリといったオリジナルメニューが豊富なこと。
・北九州や博多からもきてくれるファンが多くいること。
・ほぼ年中無休で、一人で店を切り盛りしていること。
などなど、たくさんのこだわりを聞いていると、なにがなんでも早く食べたくなりました。

もつうどんに豆乳うどんもぜひ食べてみたい。

トマトチキンにあさり、豚の角煮も魅力的です。
店主にたずねると、はじめてなら「鴨せいろ」を細麺うどんで食べるのが絶対おススメとのこと。
本日のオーダーはそれに決まりです。

◇本日のオーダー

細麺うどんの「鴨せいろ」（すべて税込み750円）をカウンター席でいただきます。
出されたうどんは、想像をはるかに超えた細さで、つやがありとても美しい麺です。
うつわにたっぷり入ったあたたかいつゆは、鴨肉が入っていい香りを放っています。

柚子胡椒は少なめにというアドバイスに従って、少し入れただけですが、とびきりの辛さです。
なんでも市販のものは塩分が強いため、オリジナルの柚子胡椒を手作りしているので辛いとのこと。
どこまでもこだわりと信念をもって営業されているところに、ファンがついてくるのでしょう。
麺は細いのにモチモチとした弾力があり、歯ざわり・舌触り・のど越しがバツグンです。
だしのきいたつゆは、鴨のうまみをたっぷり味わえて言うことがありません。
鴨肉のスライスも5枚ほど入っていて、ボリューミーです。

うどんは思いのほか量も多くおなかは満たされますが、どうしても手打ちそばを味わってみたくて、特上そばの替え玉（300円）を追加注文しました。

特上そばに使うそば粉は、以後入手できないというほど貴重なものだそうで、それを知るそば好きが遠方からも来るということです。
コシが強く味わい深いそばと、そばと同じ太さの細切りうどんを食べ比べながら、つゆのおいしさにも満足するひと時でした。

麺を完食した後、店主から食べてみて！と差し出されたのはそばゼリー（キャラメルソース）です。
そば処でスイーツといえば、そばがきぜんざいなどを想像しますが、そば湯でつくったそばゼリー（200円）は初めてです。
ソースはメニューにある13種類から選べますが、食感の良さとかすかにそばの風味ただようあっさりとしたゼリーは、そのままでもおいしくいただけます。

のれんの向こうで、そばもうどんも手打ちをするという店主。
手打ちなのにリーズナブルな値段で提供するのは、来てくれる人に喜んでもらえるのがうれしいからと笑顔で答えてくれます。
ほかのうどん店では見られないオリジナリティー豊かなメニューと、提供されるうどん・そばのクオリティの高さ、そして店主の思いやりある接客が多くのファンの心を引き付けてやみません。
うどんもそばも替え玉ができて、一度食べたらクセになる「神風亭」に足を運んでみてはいかがでしょう。