ガルシアvsデービス 注目の無敗対決を制するのはどちらだ
4月22日(日本時間23日)にラスベガスのT-モバイル・アリーナで、ガーボンタ・デービス(28=アメリカ)とライアン・ガルシア(24=アメリカ)が対戦する。
この試合は中量級の人気ボクサー対決として世界中から注目を浴びている。
ガーボンタ・デービス
デービスは28戦全勝のボクサーで、現WBAライト級レギュラー王者だ。
戦績は28戦28勝(26KO)と高いKO率を誇り、スーパーフェザー級からスーパーライト級までの3階級を制覇している。
サウスポースタイルで、身長166cmと小柄ながら、強打を武器にこれまで勝ち進んできた。プレッシャーを掛けて戦う破壊的なスタイルから、英語で戦車を意味する“Tank(タンク)”の異名を持っている。
2020年10月、世界4階級王者のレオ・サンタ・クルスと戦い、6回TKOで勝利した。この試合はライト級とスーパーフェザー級、2つの階級の王座をかけたタイトルマッチであったため、スーパーフェザー級で王座を獲得し、ライト級では防衛に成功した。
直近の試合は今年1月、WBAライト級タイトルマッチで無敗の王者エクトール・ルイス・ガルシアと対戦し、8回TKOで勝利している。これにより、4度目の防衛に成功した。
ライアン・ガルシア
ガルシアは元WBC世界ライト級暫定王者で、戦績は23戦23勝(19KO)。デービス同様、無敗のボクサーだ。
178cmの長身から放たれるコンビネーションが特徴で、アマ仕込みのテクニックとスピードを活かした攻撃で“KingRy(キング・ライ)”の異名を持つ。
デービスに比べると、ビッグネームとの対戦は少ないが、五輪金メダリストでプロ入りしたルーク・キャンベルや、世界2階級制覇王者のハビエル・フォルトゥナに勝利している。
現在は世界タイトルを保有していないが、Instagramだけでも963万人以上のフォロワーがいるなど、圧倒的な人気を誇っている。
2021年にはうつ病を理由に試合を欠場したが、翌年2022年にはノンタイトル12回戦を戦い、エマニュエル・タゴエを2回TKOで下し、復帰を果たした。
展開予想
人気の高いボクサー対決に、世界中のボクシングファンが注目している。
試合の展開は、デービスが突進力を活かし距離を詰めて戦い、ガルシアは長身を活かし遠距離で戦う構図が予想される。
サウスポーとオーソドックス、身長、スタイルなど正反対であるため、自身が有利に戦うための「ポジション取り」が戦況を左右するだろう。
KO率の高いボクサー同士、早いラウンドでのKO決着もあり得る。筆者の予想ではキャリアに優るデービスが試合を有利に進める予想だが、ガルシアの出方次第で戦況は大きく変わるだろう。
ライト級12回のノンタイトル戦だが、結果は次戦に大きく影響する。勝者にはさらなるビッグマッチの舞台が用意されるだろう。
現在、中量級のトップ争いは激化している。
同じライト級には4団体統一を果たしたデヴィン・ヘイニーが絶対王者として君臨している。そのヘイニーに5月20日(日本時間21日)、元3団体統一王者のワシル・ロマチェンコが挑戦する。
一つ上のスーパーライト級には元4団体統一王者のジョシュ・テイラーがおり、6月10日(日本時間11日)に、挑戦者テオフィモ・ロペスとのタイトルマッチが予定されている。
ライバル選手たちの動向にも注目していきたい。