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ようやく秋本番 東京は10月9日は雨が降るものの10日からは何をするにも適した天気が続く

饒村曜気象予報士
日本の南岸に停滞する秋雨前線(10月8日21時)

秋らしい気温

 令和6年(2024年)10月8日は、秋雨前線が日本の南海上に南下したため、秋の空気におおわれ、気温が上がらないところが多くなりました(タイトル画像)。

 全国で一番気温が高かったのは、沖縄県・南大東の31.1度で、最高気温が35度以上の猛暑日を観測したところはなく、最高気温が30度以上の真夏日を観測したのも、南大東を含めて6地点(気温を観測している全国914地点の約1パーセント)、25度以上の夏日を観測したのは164地点(約18パーセント)でした(図1)。

 今年、令和6年(2024年)は、記録的な暑さが続いていましたが、9月中旬以降は、猛暑日と真夏日が激減し、10月に入ると夏日も大きく減っています。

 猛暑日は、9月21日に7地点で観測したのを最後に観測していませんし、気象庁と環境省が共同で57地域(都府県ごと、ただし北海道・鹿児島県・沖縄県は細分)に対して発表している熱中症警戒アラートも、4地域を対象に発表した9月21日が最後となっています。

 そして、10月9日は、真夏日を観測する地点もなくなりそうで、日本列島の長く厳しかった夏も終わったというそうです。

 なお、夏の名残である熱帯低気圧が小笠原の東海上を北上しています。

 この熱帯低気圧は、10月7日9時の段階で、「今後24時間以内に台風に発達する」と予想されていましたが、36時間たった8日21時現在でも台風に発達していません。

 日本の南の海も、夏が終わっているのかもしれません。

東京の16日間予報

 東京の最高気温と最低気温の推移をみると、9月中旬までは平年より気温が高い日が続いています(図2)。

 9月下旬からは、最高気温は平年より高い日と、平年並みの日が交互に現れ、最低気温は平年より高い日が続いています。

  10月8日は、最高気温が25.3度と今年142日目の夏日で、最低気温は15.3度でした。ただ、気温は未明が一番高く、夜遅くが一番低いという、気温が下がりっぱなしの一日でした。

 令和6年10月8日までの猛暑日は20日(平年:4.8日)、真夏日は82日(52.1日)、夏日は145日(118.5日)となっています。

 最低気温が25度以上の熱帯夜も47日(17.8日)と、暑さを示す4つの指標とも、平年を大きく上回っています。

 しかし、10月9日は、最高気温の予報が19度と、5月9日以来、5か月ぶりに20度以下となる見込みです。

 10月7日の最高気温29.9度と真夏日一歩手前から、8日はほぼ一直線に気温が降下し、9日は一日中、ほぼ同じ気温で、日中は寒く感じるかもしれません(図3)。

図3 東京の気温変化(点線は平年値)
図3 東京の気温変化(点線は平年値)

 東京の16日先までの天気予報をみると、再来週は、傘マーク(雨)や黒雲マーク(雨の可能性があるくもり)の日が続く見込みです(図4)。

図4 東京の16日先までの天気予報
図4 東京の16日先までの天気予報

 しかし、10月10日からの9日間は、お日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が少ないくもり)の日が続きます。

 過ごしやすい気温の、なにをするにおいても快適な日が続きそうです。

タイトル画像、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図2、図3の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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