【朝ドラらんまん】幼い頃に父母を亡くした植物学者・牧野富太郎を育てた人々
2023年度前期放送のNHK連続テレビ小説は「らんまん」。主人公は、槙野万太郎で、俳優の神木隆之介さんが演じます。槙野万太郎のモデルが、植物学者として有名な牧野富太郎(1862〜1957)博士です。
牧野博士は幼名を「誠太郎」と言いましたが、幼い頃に父母を亡くしてしまいます。ちなみに、富太郎の母は「久寿」という名でしたが、ドラマでは「ヒサ」であり、女優の広末涼子さんが演じています。富太郎は4歳の時に父・牧野佐平を病で亡くし、6歳の頃に、母・久寿を同じく病で亡くしてしまうのです。
父母の顔が記憶にないという富太郎を養育したのが、祖母でした。ドラマではこの祖母「タキ」を女優・松坂慶子さんが演じています。では、祖母は富太郎をどのように育てたのか?
『牧野富太郎自叙伝』(講談社、2004年)によると「牧野家の一人息子として、とても大切に育てた」ということです。幼い頃の富太郎の体は虚弱で、時々、病となったので「注意をして養育された」とのこと。富太郎の胸に「骨が出ている」と言って、祖母は大層、心配したそうですね。
牧野家は、酒造と雑貨店を営んでいたこともあり富裕でありました。生まれた直後から「乳母」がいて、この乳母が富太郎の子守りをしたようです。富太郎は、乳母に背負われて、乳母の家に行ったことがあるとのことですが、これが富太郎の記憶の「第一のもの」と本人が後に語っています。
乳母は暫くして暇を出されます(解雇された)。それ以後、富太郎を育てたのが、前述のように祖母だったのです。