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PayPay銀行、円とドル両方を預け入れたなら普通預金の金利を年2%に

久保田博幸金融アナリスト
(写真:YUTAKA/アフロ)

 PayPay銀行、円とドル両方を預け入れた場合の普通預金の金利を年2%にする(4日付日本経済新聞)。

 メガバンクの普通預金金利が0.10%なのでその20倍となるが、単純に比較すべきものではない。円金利だけでなく、ドル金利も含まれたものとなるためである。

 中央銀行の政策金利を比較すると日本は現在0.25%であり、2%とは距離がある。もし12月に利上げがあっても0.50%の予想となっている。

 これに対して米国の政策金利は4.5%~4.75%となっている。12月に利下げが行われても4.25%~4.55%あたりとなり、まだ4%台と高い位置にある。

 つまり円の金利とドルの金利を組み合わせることで、2%といった高い金利が可能となる。

 ここで注意すべきは、ドル金利に関しては、外国為替市場の動きによる影響を受ける。つまり為替変動リスクがあり、円ベースでは元本割れになる恐れがある点に注意が必要となる。

 金利ある世界が現実のものとなり、銀行では今後さらに預金獲得競争が強まることが予想される。

 0.001%とか0.01%といった、ほとんど見えなかった利子が、今後は1%や2%とやっと可視化して、数値としてみえてくることが予想される。そのための準備といった意味合いもあるのかもしれない。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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