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【誕生日】工藤公康氏が還暦。50代最後の日は「黄金バッテリー再結成」PayPayドームで投球

田尻耕太郎スポーツライター
現役時代を彷彿とさせる投球フォーム

 福岡ソフトバンクホークス前監督の工藤公康氏と城島健司・球団会長付特別アドバイザーが4日、PayPayドームでのソフトバンク対オリックスの試合前にセレモニアルピッチを行った。

 球団創設85周年とドーム開業30周年を記念した「ダブルアニバーサリーデー」の特別ゲストで登場。福岡ダイエーホークスとして初めての優勝、日本一を成し遂げた1999年がこの日のテーマで、その年に立役者となった2人は「最優秀バッテリー賞」を獲得した。

 また、99年シーズンの工藤投手は26試合にすべて先発で登板し、11勝7敗。196・1回を投げてリーグ最多の196奪三振、防御率もリーグ1位の2.38をマークしてシーズンMVPに輝いた。

 城島捕手はこの年が高卒5年目ながらシーズン135試合にフル出場を果たし、自慢の打撃では打率.306、17本塁打、77打点と活躍した。

工藤氏「始球式の気持ちがやっとわかった」

 セレモニアルピッチでマウンドに上がった工藤氏は、真ん中に構える城島氏のミットへストライク投球。超満員のPayPayドームが大きな拍手と歓声に包まれた。

工藤「久々でちょっと緊張したね」

城島「俺は捕るだけ。だけど工藤さんは緊張してたね」

工藤「久々にマウンドに上がると遠く感じるんだよね。始球式をやる人の気持ちがやっとわかりました。」

城島「でも、さすが。練習ではあんなにストライクが来なかったけど、ど真ん中でした」

工藤氏、5月5日の誕生日で60歳に

 ところで、5月5日に工藤氏は60歳の誕生日を迎えた。

城島「聞きましたよ。おっさんになったな、って(笑)。その分、僕もおっさんになってました」

工藤「60になったからおじさんではなく、その前からおじさんですけどね(笑)」

城島「でも、(投球フォームが)昔とバランスも変わらないし、あー工藤さんだなって。前に宮崎でのOB戦(ホークス対ジャイアンツ、2018年に開催)でもボールを受けたけど、やっぱりこのPayPayドームというのが懐かしい。あの99年があったから、今の自分も、それからのホークスもある。ターニングポイントになったシーズンを取り上げてくれて嬉しかった」

 また、工藤氏は現役実働29年。数多くの捕手とバッテリーを組んできたが、城島氏はやはり特別な存在だったとも振り返っていた。

99年5月4日、工藤-城島バッテリーでオリックスに勝利していた

 ところで、今回の「ダブルアニバーサリーデー」は先述したとおり、1999年シーズンをテーマに行われたのだが、その1999年5月4日、福岡ダイエーホークスは本拠地福岡ドームでオリックスブルーウェーブを迎えて対戦していた。しかも先発は工藤投手。もちろんマスクを被ったのは城島捕手という不思議な縁でつながっていた。

【1999年5月4日 パ・リーグ公式戦 福岡ドーム 48000人】

オリックス `001000000 1

ダイエー  `02003010× 6

<バッテリー>

【B】●杉本友(0勝2敗)、小倉、太田――三輪

【H】◯工藤(3勝1敗)――城島

<本塁打>

なし

<スタメン>

【B】8谷 6塩崎 9イチロー Dプリアム 5小川 3藤井 7田口 2三輪 4福留

【H】8柴原 4浜名 6井口 3小久保 D吉永 9秋山 7松中 2城島 5林

<戦評>

ダイエーは二回裏、松中選手の2点三塁打で先制。五、七回は小久保選手が2打席連続のタイムリーを放つなどして突き放した。オリックスはイチロー選手が4打数3安打も、ダイエー先発・工藤投手はそれ以外の選手を3安打に封じる力投を見せた。工藤投手は6安打完投勝利。四回以降は二塁を踏ませない好投で3勝目を挙げた。

なお、この日は常勝ホークスの礎を築いた根本陸夫球団社長の葬儀が執り行われた日でもあった。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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