【JAZZ】山崎ふみこ Birthday Live〜Happiness@JZ Brat
“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、ヴィブラフォン奏者 山崎ふみこのバースディ・ライヴ。
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ゴールデンウィークの真っ只中、渋谷のセルリアンホテル東急にあるライヴ・スポット“JZ Brat(ジェー・ジー・ブラット)”に足を運ぶというスケジュールがこの数年続いている。お目当ては、山崎ふみこの“バースディ・ライヴ”と題されたスペシャルなイヴェントを体験するためだ。
山崎ふみこは、2011年のファースト・アルバム『ヒア・ゴーズ』、2014年のセカンド・アルバム『デパーチャー!』をリリースし、着実にヴィブラフォンによる自己の音楽観を広げている。
彼女の音楽観とは、Jフュージョンとしてカテゴライズされるポップ・インストゥルメンタルをベースにしたものだ。親しみやすいのに、音楽的なフックがちりばめられているという、バランスをとるのが難しいチャレンジーー。それをあえて選ぶのは、彼女が音楽によるつながりを大切にしていることにほかならない。
バースディを祝ってもらうのではなく、リスナーを楽しませるためにライヴを開催するというのもその表われのひとつと言える。
年に1度のスペシャルならではのもうひとつの楽しみとは?
バースディならではのスペシャルな演出は、クァルテット(四重奏)という編成にある。
当夜の“山崎ふみこサウンド”に彩りを添えるのは、ピアノの榊原大、ベースの須藤満、ドラムの齋藤たかし。
ピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラム)にフロント楽器という編成は、ジャズではきわめてオーソドックスと言える。モダン・ジャズと呼ばれるジャズを象徴するスタイルで多く用いられているように、インストゥルメンタル・ミュージック(器楽演奏のみの音楽)の分野では汎用性の高い編成として認識されている。
1970年代以降に発達したフュージョンでもこの編成は踏襲され、ジャズ寄りのコンセプションをもったサウンドを指向するイコンにもなっている。
ジャズ的な自由さを取り入れながら、しっかりとメロディの強さ、美しさを伝えたいという“想い”を具現するのに適しているといえるのが、当夜の編成ということなのだ。
メロディを強調するためには、その土台となる曲の強さ、美しさがなければならない。つまり、作曲家&表現者としての山崎ふみこの成長を1年単位で確認できるというのが、このバースディ・ライヴのもうひとつの楽しみであることに気付いた。
では、行ってきます!