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新ツアーが「マネー&チーム戦」ならPGAツアーも同じ!?露骨な対抗心で2023年から新大会創設!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
一番のキャプテン候補はこの人!?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

PGAツアーは、今年にも創設されることが噂されている新ツアー、SGL(スーパー・ゴルフ・リーグ)への選手の流出を阻止すべく、対抗策を次々に打ち出しているが、最新の対抗策として、新ツアーのプラン同様の「チーム戦」を創設する予定であることがわかった。

「あくまでも僕が戦う場所はPGAツアーだ」と、PGAツアーへの忠誠をはっきり明言しているのは、現状ではタイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、ブルックス・ケプカ、ジョン・ラーム、ジョーダン・スピース、コリン・モリカワといった面々。

一方で、莫大なサウジ・マネーの魅力で選手たちを惹きつけようとしている新ツアー、SGLにはフィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボーらがあからさまな興味を示している。

「17人が移行する契約にサインしている」と、スピースの大学時代の元ルームメイト、クレイマー・ヒコックが明かし、先週のフェニックス・オープンではルール上の裁定に不満を抱いて激怒したチャーリー・ホフマンが怒りに任せて「みんな新ツアーに乗り換えたがっている」とSNSに書き込み、騒動になったばかりだ。

そんな中、PGAツアーもマネー・パワーで対抗せざるを得ず、昨季は人気や露出の度合いに応じて総額4000万ドルのボーナスを支給するPIP(プレーヤー・インパクト・プログラム)を創設。今季は年間15試合に出るだけで、一律5万ドルのボーナスを支給する「プレー15プログラム」も創設した。

そして、PGAツアーは、さらなる対抗策として、2023年からは秋の時期に3試合にわたるチーム戦を創設しようとしていることがわかった。

チーム戦は、アジア、欧州、中東でそれぞれ1試合ずつ開催される予定で、いずれも予選カットはなく、魅力的な高額賞金が用意されるという。

前シーズンのフェデックスカップ上位50名だけが出場でき、1チーム5名、全10チームが競い合う。各チームはキャプテンによって導かれ、そのキャプテンには、前シーズンのPIPでトップ10に選ばれたスター選手が就くシステムだそうで、まさにスター選手、強豪選手を、あの手この手でつなぎとめようとしていることが伺われる。

なぜ、PGAツアーが高額賞金を用意してチーム戦を計画しているかと言えば、もちろん、新ツアーが高額賞金とチーム戦展開をうたっているからにほかならず、PGAツアーの露骨な対抗心、敵対心が見て取れる。

PGAツアーと新ツアーの戦いは、そんなふうに「目には目を」の様相を呈し、一層激化している。今後の動向から目が離せない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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