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【オートバイのあれこれ】やさしいから好きです。

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「やさしいから好きです。」をテーマにお話ししようと思います。

「やさしいから好きです」

これは、あるバイクのキャッチコピーなのですが、その「あるバイク」とは何か知っているでしょうか。

正解は、1977年(昭和52年)にデビューしたヤマハ『パッソル』のキャッチコピーです。

▲ホンダ・ロードパルへの対抗馬として登場!
▲ホンダ・ロードパルへの対抗馬として登場!

▲パッソル登場の前年(’76年)にデビューしたロードパル
▲パッソル登場の前年(’76年)にデビューしたロードパル

パッソルは、ライバルのホンダ『ロードパル』とともにソフトバイク(ファミリーバイク)という新しいジャンルを確立した原付モデルになります。

現在における原付スクーターの祖先のような存在ですね。

パッソルの見どころは、足元がステップスルー構造だったこと。

今ではスクーターモデルの「当たり前」となっているステップスルーですが、当時は“跨らずに”乗れるバイクというのはほとんど無く、画期的な設計だったと言えます。

まさしくヤマハの「やさしい」アイデアで、「スカートを穿いた女性が足を開くことなく乗れるように」という心遣いに基づいたフィーチャーでした。

▲脚を上げず(=跨ぐ動作をせず)に乗車できるステップスルー構造が新鮮だった
▲脚を上げず(=跨ぐ動作をせず)に乗車できるステップスルー構造が新鮮だった

また、油汚れが衣服などに付くのを防ぐため、エンジンと駆動系(ドライブチェーン等)をフルカバー化したのもポイント。

この「やさしさ」は結果的にスッキリした外観をもたらすことにもなり、パッソルはよりいっそう女性好みのスタイリングとなりました。

女性への配慮が行き届いた各部ディテールに加え、宣伝活動においても女優の八千草薫さんをイメージキャラクターに起用したり、また女性が集まりやすい百貨店で展示会を行うなどしたことで、パッソルはロードパルをも上回るヒット作となったのでした。

そして’78年には、派生モデルの『パッソーラ』も登場。

▲パッソルの進化系?発展系?のパッソーラ。車体がやや大きくなり、最高出力も0.5ps上がっていた
▲パッソルの進化系?発展系?のパッソーラ。車体がやや大きくなり、最高出力も0.5ps上がっていた

こちらは、女優の水沢アキさんがイメージキャラクターを務めました。

パッソーラもパッソル同様に支持を集め、ヤマハはソフトバイク市場で大きなシェアを握ることに成功したのでした。

▲当時のカタログ。イメージキャラクターは八千草薫さんが務めた
▲当時のカタログ。イメージキャラクターは八千草薫さんが務めた

画像引用元:ヤマハ発動機/本田技研工業

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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