立て直しが急がれる阪神守備陣
9失点、9失点、6失点。
阪神の2017シーズンは大味な試合で幕を開けた。開幕3試合で失策数は早くも8を数え、シーズン381個ペースというまさかの事態だ。
それ以外にも深刻さを表すDER(Defensive Efficiency Ratio)という指標がある。計算式は(打席-安打-四球-死球-三振-失策)÷(打席-本塁打-四球-死球-三振)とやや複雑だが、表しているのは「フェアゾーンに飛んだ打球をアウトにした割合」だ(出塁を許した失策だけでなく進塁を許した失策も含むので誤差はあり)。これは68%前後となることが多く、昨季のセリーグ平均は68.9%。70%を超えれば優秀と考えられ、近年では日本ハム、ソフトバンクがそれに当てはまる。安定した成績を残している一因と言えそうだ。しかし、マツダスタジアムで乱れた今季の阪神のDERは57.7%。なんとフェアゾーンに飛んだ打球の4割以上で出塁を許してしまっている。この数字は昨季のセリーグ平均より10%以上低い。10回に1回の差、というのは野球においてとても無視出来る差ではない。感覚的には打率.200の8番打者が阪神守備陣の前では急に3割バッターになるようなものだ。立て直しが急がれる。
週末の巨人戦が早くも正念場?
今後の日程は明日から京セラドームでヤクルトと3連戦を行い、金曜日からは甲子園で開幕3連勝スタートの巨人とぶつかる。巨人はオープン戦のチーム打率が12球団最下位の.196、19試合で47得点と3点取れない打線だったが、開幕後の1試合平均得点は5点を超える。息を吹き返した東のライバル球団を相手に、守備面で自ら崩れてはとても太刀打ち出来ない。しかも週末の天気は雨予報。悪条件が追加された。
ただ幸いにも阪神の先発陣は奪三振能力の高い投手が揃っている。昨季の奪三振率は藤浪が9.37でセリーグ1位、岩貞が8.87でセリーグ3位、メッセンジャーが8.60でセリーグ4位、能見が7.70でセリーグ6位と阪神先発陣の独壇場だった。今季もメッセンジャー、岩貞はイニング数を上回る三振数を奪っておりこのアドバンテージは今季も武器となりそうだ。その上で昨季の4位から順位を上げ、Aクラス入り、優勝争いをするためにはプラスの要素が必要不可欠。甲子園最初のカードが今季最初の踏ん張りどころとなりそうだ。