貞応３年（１２２４）７月１７日、北条政子は、三浦義村の邸に乗り込んで「貴方（義村）は、伊賀光宗と共に、北条泰時（義時の嫡男）を排除する陰謀を巡らせているのではないですか！？」と詰問。

それに対し、義村は「知りません」と一言。しかし、政子は義村のその一言を聞いても、彼を信用できなかったようで、次のように畳みかけます。「北条政村（義時の５男。伊賀の方の子）を擁して、世を乱すのか、それとも和平の計りを巡らすのか。早く、決断しなさい！」と（鎌倉時代後期に編纂された歴史書『吾妻鏡』）。

義村はやっと口を開きます。義村は「北条政村には、謀反心はありません。しかし、伊賀光宗には、謀反の用意があると思われます。この私が、光宗の謀反を止めさせましょう」と政子の前で誓うのでした。

ここまで言うのならばと、政子は少しは安心したのでしょう。先ずは、様子見という想いもあったかもしれませんが、義村邸を後にします。これが７月１７日のことでした。

その翌日（７月１８日）、義村はある人物の邸を訪問します。三浦義村が対面したのは、北条泰時だったのです。義村は泰時に一体、何を言いに行ったのでしょうか。