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阪神ファームは3連勝 西田が人生初の満塁弾!緒方もプロ1号!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

1軍は先月末からすべて適合球に切り替わりましたが、ファームはどうなんでしょうか。統一球が取り入れられた2011年もファームはチームによって様々で、阪神も従来のボールと半々で使っていたのです。だから今回も、ファームの方はまだ“在庫”使用中かも?なんて話が出るほど、最近「1号」という見出しをよく書いている気がします。いや、それは失礼でした。ボールのせいじゃありませんね。

そう思って昨年の試合結果を見たら、昨年も5月は公式戦だけでホームランが13本もありました!野原将選手の1号サヨナラ弾や一二三選手の公式戦1号、コンラッド選手の来日初アーチに清水選手のランニングホームラン、西田選手や黒田選手の1号も5月です。コンラッド選手って…懐かしいなあ。しかもこのホームランが来日初打点でもあったんですよ。コンちゃん、元気にしているんでしょうか。

では大変遅くなってしまいましたが、7日のオリックス戦の結果をお伝えします。ボールが規格外に飛ぶ“在庫品”であるかどうかなんて関係なく、西田選手が今季1号の満塁ホームランで大逆転、緒方選手の公式戦プロ1号でダメ押し。なかなかインパクトのあるゲームです。それにしても7日の神戸サブ球場は日差しが強烈で暑かったですねえ!皆さん、かなり日焼けされたのではないですか?選手も鼻が真っ赤でした。

《ウエスタン公式戦》5月7日

オリックス-阪神 9回戦 (神戸第二)

阪神 000 510 000 = 6

オリ 200 001 000 = 3

◆バッテリー

【阪神】○岩本(3勝1敗)-渡辺-筒井-S小嶋(1勝3敗2S) / 日高-小宮山(8回裏)

【オリ】●東明(1勝1敗)(6回)-八木(3回) / 伏見

◆本塁打 高橋1号2ラン(岩本)、西田1号満塁(東明)、緒方1号ソロ(東明)

◆二塁打 伊藤隼、谷

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]右左:緒方 (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .322

2]遊:阪口  (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .308

3]捕:日高  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .263

〃打:高山  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .130

4]指:伊藤隼 (4-3-0 / 0-0 / 0 / 0) .321

5]一右:中谷 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .174

6]三:西田  (4-2-4 / 1-0 / 0 / 0) .209

7]二:北條  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .169

8]左:一二三 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .169

〃一:陽川  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .170

9]中:横田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .190

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)最速キロ

岩本 6回 87球 (8-3-1 / 3-3 / 3.15)139

渡辺 1回 21球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00)141

筒井 1回 27球 (0-2-2 / 0-0 / 3.86)146

小嶋 1回 22球 (1-1-1 / 0-0 / 7.30)145

逆転でオリックス戦は5連勝

まず1回の攻撃で先頭の緒方が打った左邪飛を追って、レフトの宮崎とショートの三ツ俣が接触。宮崎が担架で運ばれるなど試合が中断しました。なお退場した2人ですが、三ツ俣選手は少ししてベンチに戻り、宮崎選手は試合後「お疲れ様でした!」と元気に運転して帰っていったので心配ありません。

先発の岩本は1回、先頭の吉田雄に中前打され犠打で二塁へ進めますが、谷の右前打を緒方がバックホームして吉田雄は本塁憤死。しかし4番の高橋に2ランを浴び、先取点を与えてしまいました。2回は先頭の伏見に中前打、山本の犠打、武田の左前打、東への死球で1死満塁と攻められたものの吉田雄は併殺打!

一方、東明に3回までパーフエクトピッチングを許した打線は4回、先頭の緒方が投手強襲の内野安打を放ち、阪口が左中間タイムリー。1死後に伊藤隼の右前打、中谷の死球で満塁として西田が1ボールからの2球目をライトへ!チームとしては昨年7月16日に森田選手が打って以来の満塁ホームランです。さらに5回は緒方がカウント3-1からの5球目をライトへ放り込み、公式戦プロ1号!6対2とリードを広げました。

6回は伊藤隼が右中間へ二塁打を放ち、西田の左前打などで1死一、三塁としますが後続を断たれて追加点なし。8回に伊藤隼が中前打するも盗塁失敗など、7回以降は3人ずつで片づけられました。伊藤隼3安打、緒方、阪口、西田が2安打ずつの計9安打で、残塁は6回にあった2つだけ。ただし残塁2の試合は今季だけで、もう4度目なんですね。

逆転してもらった岩本は6回、先頭の谷に二塁打され、2死三塁になってから伏見のタイムリーで3点目を失っています。7回は渡辺が1安打無失点、8回は筒井が2死から連続四球を与えながらも、山本を空振り三振。9回は小嶋がやはり2死後に四球と堤の中前打で一、二塁として久保投手コーチがマウンドへ。でも最後は園部から空振り三振を奪って試合終了です。この日で4連投の小嶋、うち2試合は抑えで連続セーブがつきました。

岩本、悔しいのは3点目

岩本投手は「悪いなりにまとめられたかなとは思います。1回はいろんなことがあって、バタバタして変な感じでした」とのこと。登板前に負傷退場者の出るアクシデントがあったのは少なからず影響したかもしれませんね。「でもそういうところで、しっかり抑えないと」と反省しながらも「四球を出さないようにと思って、そこで崩れなかったのでよかった」と言います。

悪いなりに、というのは?「真っすぐがそんなにいってなかった。ストライクゾーンに集めて凡打は取れましたけど、最低限って感じですね」と岩本投手。味方の援護については「取られてすぐ点を取ってくれたので、リズムよく投げられた」と感謝しています。ただ「欲をいえば抑えたかった」と6回の追加点を悔やんでいましたね。

久保投手コーチは岩本投手について「カーブの使い方が課題になってきますね。ベテランに対して緩い球を2ついくとやられる」と、1回にホームランを打たれた高橋選手に対する配球(1球目97キロ、2球目96キロ)を挙げました。そして「きのうの秋山が8回3点、きょうの岩本は6回3失点。岩本は最後の1点を悔しがっていたよ。こうやって2人で切磋琢磨していけばいいね」と話しています。

ホームランの2人&阪口

満塁ホームランの西田選手は「いい反応ができました。バットを振るというより、自分が(ボールに)入っていく感じで打てています」と納得の打席だったようです。打った瞬間という感触かと思いきや「ギリギリじゃなかったですか?」と。あ、そうなんですね。次の左前打は「逆方向にもしっかり打てた」と手応えありでした。

なお満塁ホームランは「初めてです」と西田選手。小さい時も打っていなかったのか尋ねると覚えていないというので、お母さんに確認したところ「満塁ホームランは初ですね。サヨナラホームランは高校の時にありましたけど」と即答いただきました。さすがお母さん!ありがとうございます。

公式戦プロ1号の緒方選手。バスへ向かうところ、わざわざ立ち止まってくれました。
公式戦プロ1号の緒方選手。バスへ向かうところ、わざわざ立ち止まってくれました。

緒方選手は、まず先頭打者として内野安打を放ち、次の阪口選手のヒットで生還した4回を振り返り「昨日の今日だったので、エンドランのところでしっかり走れてよかったです」と言います。ホームランは「完ぺきでした。しっかり打てている証拠だと思いますが、ホームランを狙うバッターじゃないので…たまたまです。前の打席でピッチャー返しを強く打ったのが、ちょうどいい感じにつながったかもしれません」

守備ではいい返球を見せており「肩も自分の持ち味なので」と緒方選手。「ホームランの次の打席を反省して、次に生かしたい。打つ、守る、走る、すべて勉強していきたい」。またもマルチで打率は.322となっています。ちなみにホームランは昨年10月18日のフェニックスリーグ・ロッテ戦(綾町)以来で、公式戦はプロ第1号でした。

平田監督は「西田のホームランもレフト前も、打席の内容がよくなってきた。やっといい時の西田らしくなってきた。隼太、緒方はいつ1軍に呼ばれてもいいバッティング」と評価しています。だから…呼んでください!

最後に阪口選手です。今月2度目のマルチ安打で、打率が3割を超えました。打点は先月8日のタイムリー以来ですね。4回のタイムリーと5回の中前打、ともに真っすぐを打ったもの。「2本ともいい当たりでした。よかったです!」と笑顔。調子よくなってきた?「と思います」。控えめながらも、しっかりうなずきました。由宇遠征も参加するようです。どんどん打っときましょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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