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パリ五輪開会式で韓国を「北朝鮮」と間違えるハプニング! 国際舞台での国名、国旗、国歌の間違えは頻繁!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
韓国選手団(パリ五輪韓国合同取材団配信)

 華々しい五輪開会式で韓国の国名を間違えるハプニングが起きた。

 セーヌ川で行われたパリ五輪開会式で韓国選手団が48番目に入場した際に「韓国」(Corée)もしくは「大韓民国」(République de Corée)ではなく、「朝鮮民主主義人民共和国」(République populaire démocratique de Corée)とアナウンスされたのである。「朝鮮民主主義人民共和国」は北朝鮮の国名である。英語によるアナウンスの紹介でも訂正されることはなかった。

 その後、北朝鮮の選手団が153番目に入場したが、「韓国」ではなく、正式国名で呼ばれていた。北朝鮮は何と、2度も紹介されたことになる。

 中継を見ていた韓国人は「X(旧ツイッター)」などの交流サイトで驚きや怒りの声を上げていた。韓国のメディアも「荒唐無稽な開会式」(日刊スポーツ)、「惨い過ちを犯したフランス、明白な外交非礼」(スポーツ韓国)などの見出しを掲げ怒りを露わにしたスポーツ紙だけでなく、大手紙も「パリ五輪の惨事」(京郷新聞)、「五輪開幕式の大型事故」(国民日報)、「開会式歴代級事故」(文化日報)と、この件をパリ五輪組織委員会の失態として大々的に取り上げていた。

 五輪史上歴史に残る野外での開会式の不祥事だけに韓国の体協(大韓体育会)及び所管の文化体育観光部はパリ五輪組織委員会に正式に抗議するようだが、韓国と北朝鮮の国名、国家、国旗を間違えるのは前代未聞ではなく、過去にも何度もあったことだ。

 例えば、ロンドン五輪(2012年)の時も開幕に先立って行われたサッカー女子1次リーグG組の北朝鮮対コロンビア戦で北朝鮮の国旗ではなく、誤って韓国の国旗が大型スクリーンに表示されるハプニングがあった。この時は、激怒した北朝鮮の選手らがピッチから引き上げる騒ぎまでに発展した。

 ミスを認めたロンドン五輪組織委員会が北朝鮮五輪委員会と北朝鮮のチームに謝罪したことで収まったが、このトラブルにより試合開始が約1時間も遅れた。

 五輪の場ではないが、サッカーの国際大会で韓国の国歌の代わりに誤って北朝鮮の国歌が流れたこともあった。

 インドネシアで2018年10月に開催されたサッカーAFC Uー19選手権での韓国対ヨルダンの試合での出来事で、韓国の国歌の代わりに誤って北朝鮮の国歌が流れた。

 この時は、韓国のコーチが直ぐに気づき、訂正を申し入れたことで再度、韓国の国歌が流れ、事なきを得たが、韓国チームは「愛国歌の代わりに北朝鮮の国歌が流されたのはサッカーのどのレベルの国際試合においても前代未聞のことである」と、主催者のアジアサッカー連盟(AFC)に抗議していた。

 国際スポーツでのこの種の取り違えは枚挙にいとまがないが、日本でも同じようなことがかつて起きたことがある。韓国の選手が表彰台に上がったところ、韓国の国歌ではく、手違いで北朝鮮の国歌が流れてしまった。

 スポーツとは関係のない話だが、昨年12月にアラブ首長国連邦(UAE)で国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が開催された際に「COP28」のホームページに韓国の国旗ではなく、誤って北朝鮮の国旗が掲載されるミスがあった。

 議長国のUAEが韓国政府に謝罪の意思を伝えたことで何事もなく終わったが、正直なところ、朝鮮半島に利害関係を持っている諸国以外、特に欧州や第3世界では同じ「KOREA」の国名を使う、同じ民族の南北の区別が付かいないようだ。

 ちなみにフランスでは今年1月にニュース専門放送局、LCIが朝鮮半島問題を取り上げた際に北朝鮮の国旗と共に韓国の国旗、太極旗を映し出していたが、何と、太極旗の中央の円が赤く塗られていたことから駐フランス韓国大使館は日本の国旗を連想させるとして、LCIに厳重に抗議していた。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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