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反省検証を避けたがる日本人。アギーレを論じる前に、日本サッカーが伸び悩む元凶に目を向けよ。

杉山茂樹スポーツライター

ハビエル・アギーレ日本代表監督就任へ。

なぜだろうか。

日本代表の敗退が決まるや即、このようなニュースが、まさに図ったように流れてきた。

さっそくブラジルにいる僕のところに、日本のあるメディアから連絡が来た。

「アギーレってどんな監督?」

話は、もうそちらの方に向かおうとしている。

日本はW杯でグループリーグ敗退。しかもまさかの最下位だ。日本国中、お通夜のように悲しみに打ちひしがれていなければならない時期である。

怒り心頭に発していなければいけない時期である。

この結果は、屈辱に他ならないのだ。表現方法はどうあれ、いまこの時期は、敗戦をそれぞれの方法で受け止めるべき時なのだ。なぜこんな結果に終わってしまったのか。同じ過ちを繰り返さないためにはどうすべきか。サッカーに関わっているすべての人が、頭を冷やしていなければならない。

だが、日本人はそれができない。そした状況を壊そうとする者が現れる。その昔は川淵さんだった。

わかりやすい例は2006年。ドイツW杯でグループリーグ最下位に終わると、帰国するや成田空港で開かれた記者会見でポロッと「オシム」の名前を漏らしてしまった。するとメディアは、反省検証を忘れ、オシムに飛びついた。あるスポーツ誌は、期間中にもかかわらず、オシムの顔を表紙のカバーに掲載した号を出してしまったほどである。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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