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ノルウェー通貨クローネが下落

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 ノルウェー通貨クローネが対ドルや対ユーロで下落しており、コロナ禍に付けた史上最安値に近づいている。

 ノルウェーは欧州で最も豊かな国とされ、失業率も最も低く、ファンダメンタルズは強いとされている。それにもかかわらず通貨安となっているのはどうしてなのか。

 ノルウェーは西欧最大の産油国でもあり、原油価格の影響を受けやすいともされているが、それだけではなかなか説明にならない。

 欧州中央銀行(ECB)やスウェーデンのリクスバンク(中銀)、スイス国立銀行(中銀)と異なり、今会合でもノルウェー銀行は利下げは行っていない。

 ノルウェーの現在のインフレ率は2年ぶりの低水準となっているとはいえ、7月のインフレ率は3.3%と中銀目標の2%を依然として大きく上回り、米欧諸国の中で最も高い。

 そこに通貨安もあり、ノルウェー銀行は政策金利を4.5%に据え置いている。

 クローネの下落が止まらないことから、ユーロとの固定相場制の導入という過激な提案を元閣僚が行ったとか。

 通貨安定のためにスウェーデンとともにユーロ加盟論も再燃しているそうである。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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