道沿いのタイサンボクが香り、遠慮なく初夏と呼べる季節がやってきた。この時期の楽しみはやはり柑橘の菓子だ。とくに甘酸っぱいレモンやグレープフルーツには目がない。

通りかかったパン屋さん「こころにあまい あんぱんや」で、ナイスなパンを見つけたのでいそいそと買った。こちらのお店は名古屋駅だと、金時計側と銀時計側にそれぞれ店舗があり、パンの種類が多く値段も手頃なため重宝している。日常使いのパン屋さんだ。

■昭和生まれに懐かしい？初夏のはちみつグレープフルーツあんぱん

「はちみつグレープフルーツあんぱん」は初夏のあんぱんシリーズのひとつ。

きわめて滑らかな白餡の中にきらきらとグレープフルーツの果肉が妖艶に光る。蜂蜜のまろやかな甘みも相まって、平成のはじめにメガヒットした懐かしのレモンジュースの面影を感じる。

みんなの思い出の味の片鱗がここに。すっきりと爽やかな味わいに、餡子が苦手な友人からも「おいしい！」との言葉が出た。快挙である。

■季節の「あんトッツォ」はブルーベリー

同店を語る際に避けて通れないのが「あんトッツォ」。イタリアの大衆菓子「マリトッツォ」に、名古屋風のアレンジを加えた名古屋の新定番といえる菓子パンだ。

ブリオッシュに切れ込みを入れ、たっぷりのホイップクリームを挟んだのが本家マリトッツォ。そこに名古屋メシの代表格である餡子をぐるり、さらに本丸にはビッグな求肥が鎮座しているというマシマシ・モリモリ名古屋大好き♪な逸品である。

定番の「こしあん」のほかに季節のあんこがあり、今の時期はブルーベリー餡。あふれんばかりの軽やかなクリームは口福に他ならないし、白餡をベースにした濃い味のブルーベリー餡もフルーティーでなんともおいしい。ここ最近販売された季節のあんトッツォのなかでは、洋の印象をことさら強く感じた。

かつてイタリアではマリトッツォのなかに指輪をいれて、男性が女性へプロポーズする習慣があったのだとか。ジューンブライドの6月にぴったりの「あんトッツォ」を購入の際は、入荷の関係で午後のお出かけがおすすめ。はちみつグレープフルーツあんぱん、ブルーベリーのあんトッツォは今月末までの販売予定。

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