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球数制限は本当に必要か?上原浩治が訴える「世界大会だからこそスピーディーな展開を!」

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:CTK Photo/アフロ)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」は11日、東京ドームで行われた1次リーグB組のチェコ戦を10|2で快勝。3戦全勝とした。東日本大震災から12年を迎えた節目の日に、先発を担ったのは被災地出身の佐々木朗希投手(ロッテ)。4回途中1失点の好投で勝利を呼び込んだ。ここまでの大会を見ていて改めて思ったことを正直に言いたい。「球数制限は必要か」ということである。

 佐々木投手は味方の失策以外はほぼ文句のない内容だった。まっすぐも160キロ超を連発して8奪三振。まさに「あっぱれ!」な投球だった。そんな佐々木投手が四回途中で球数が1次リーグの制限規定の65球を超えたため降板となった。プロ野球はこの時期、開幕に向けたオープン戦の佳境を迎える。先発ローテーションに入る投手は5~6回を投げていくための調整となっている。WBCの1次リーグは4試合で、先発投手は4人で回し、準々決勝で登板する投手も間隔は十分に空くことになる。

 WBCに球数制限が設けられているのは、メジャーの選手が出場する上で、所属球団との契約やけが防止の観点からだろう。それはやむを得ないだろう。実際、派遣する球団の意向もあり、球数制限を設けることが出場条件となるアメリカやメジャーの選手はいるだろう。ただ、それは、選手個々で対応すればいいだけのように思う。出場する全ての国・地域の投手に大会として設ける必要があるのか。それが本当の意味で「フェア」なのかは、私には疑問である。

 球数制限によって投手の継投が増えれば、試合時間もそれだけ長くなる。点の取り合いなど白熱した展開で試合時間が長くなるのなら、ファンも楽しめるだろう。しかし、佐々木投手の交代シーンのように、試合展開とは関係のないところでの投手交代も余儀なくされると、「間延び」した印象を与えてしまわないか。せっかくの国際大会なのだから、スピーディーな試合展開で野球の魅力を世界に広めたいと思った。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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