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2022~23年に計158試合で32本塁打の捕手が1年850万ドルでレイズへ。過去7年も同じ地区

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダニー・ジャンセン Sep 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまで、ダニー・ジャンセンは、ア・リーグ東地区のチームでプレーしてきた。2018年にトロント・ブルージェイズの捕手としてメジャーデビューし、2024年の夏にトレードでボストン・レッドソックスへ移り、オフにFAとなった。

 2025年も、ア・リーグ東地区という点は変わらないようだ。ファンサイデッドのロバート・マリーとタンパベイ・タイムズのマーク・トプキンが、1年850万ドルの契約でタンパベイ・レイズと合意、と報じている。2025年の年俸800万ドルに2026年の相互オプションがつき、オプション破棄の場合の解約金は50万ドルだという。

 ジャンセンのシーズン出場は、2019年の107試合が最も多く、あとの6シーズンは95試合に達していない。ただ、2022~23年は、2シーズンの計158試合で32本のホームラン――72試合で15本と86試合で17本――を打っている。2021~22年は、計142試合で26本塁打。2023~24年は、計178試合で26本塁打を記録した。

 2024年にレイズで20本以上のホームランを打った選手は、21本のブランドン・ラウしかいなかった。その前の2023年は、こちらも21本のラウを含む6人が20本塁打以上だが、彼らのうち、トップ3の選手はすでにレイズからいなくなっている。2023年に31本塁打のイサック・パレイデス(現シカゴ・カブス)、25本塁打のホゼ・シーリー(現ニューヨーク・メッツ)、23本塁打のランディ・アロザレイナ(現シアトル・マリナーズ)がそうだ。それぞれ、今夏、今オフ、今夏のトレードで移籍した。

 また、ジャンセンは、スタットキャストのデータによると、ブロッキングに長けている。来シーズンは、ベン・ロートベットとスタメンマスクを分け合うことになりそうだ。あるいは、ジャンセンがレギュラー、ロートベットは控え、ということもあり得る。ロートベットがマスクをかぶり、ジャンセンはDHの試合も考えられる。

 ロートベットは、2021年と2023~24年の3シーズンに、計183試合で8本塁打。マイナーリーグでも、メジャーリーグとマイナーリーグの合計でも、二桁本塁打のシーズンはない。ジャンセンが右打者、ロートベットは左打者。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、30歳と27歳だ。

 なお、ジャンセンは、同じ試合に両チームの選手として出場した、史上初の選手だ。現時点では、唯一人の選手でもある。それについては、こちらで書いた。

「「同じ試合に両チームの選手として出場」は史上初だが、過去には「同じ日に2チームの選手として出場」も」

 一方、ブルージェイズ→レッドソックス→レイズの次が、ニューヨーク・ヤンキース→ボルティモア・オリオールズ、またはオリオールズ→ヤンキースでも、一筆書きにより、現在の同地区の全チームでプレーし、その間に他の地区のチームを挟まなかった、史上初の選手にはならない。ケリー・ジョンソンは、2011~14年に、ブルージェイズ→レイズ→ヤンキース→レッドソックス→オリオールズと渡り歩いた。

 ただ、ジョンソンは、その前後に、他の地区のチームの選手としてもプレーしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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