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理想の自分や理想の育児と程遠くて落ち込むときの乗り越え方

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

今回はHSPであり完璧主義な私が、ずっと苦しかった「理想を追い求めてしまう思考」から抜け出した話です。

▼理想を追い求めることは悪くないが生きづらい

私は幼少期から完璧を追い求めるような性格でした。大人になってからこれはおそらくHSC(Highly Sensitive Child)の気質によるものだろうと自覚しました。

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物心ついたときから何事も完璧にこなそうとするので、自分に対して求めるものが大きすぎて自分で自分の首をしめてしまうことが多々ありました。

できなかったからといって誰かに何かを言われたり、責められたりするわけでないとしても、自分で勝手に描いた理想に届かなければ落ち込んでしまうような感じです。

これは物事に対して責任感があったり、何事もやり遂げようとしたりする点においては褒められることもあるのですが、本人に精神的な負荷がかかりすぎてしまうことも多いのです。

また理想を追い求めるがあまりに、自分にできないことをできている人を見ると、無意識に比較して落ち込んでしまうことも多くそれも苦しい経験でした。

私はこの理想を追い求めて他人と比較する傾向が強かったことが、人生で2回発症しているうつ病にもつながったと考えていて、今では考え方を変えて無理しすぎず日々を過ごすようになりました。

▼人と比べて落ち込むときはこう考えよう

「あの人はこんなにできるのに、なぜ私はできないんだろう」と考えてしまった経験、みなさんにもありませんか?

学校や職場の人間関係など、他者と関わる機会が多ければ多いほど自分と他者を比べる機会に見舞われます。

また現代はSNS社会で、リアルでのつながりだけでなくネット上で繋がっている人や知っている人とも比べてしまう機会がありますよね。

私も特にInstagramで発信を始めて間も無い頃は、よく他の発信者の方と比べては落ち込むことが多々ありました。

フォロワー数やいいね!やコメントの数など、そういったもので比べては「自分は劣っている」と思うことがあったのですが、今ではそれもほとんどなくなって発信もラクにできるようになりました。

前向きにあきらめるという方法

私は過去にどうしても人と比べてしまって辛かった時期、色々な本や動画などを見てこの辛い状況を抜け出す方法がないか探していました。

その時の私が出会った考え方で、一番しっくりきたのが「あきらめる」という方法でした。

この方法について紹介されていたのは、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』の著者である八木仁平さんという方です。

YouTubeでわかりやすくお話されている動画があるので、こちらもシェアさせていただきます。

ここで八木さんは「他人に憧れたり、比較してしまうのは【あきらめきれていないから】」だとおっしゃっています。

他人を羨んで「自分にもできるかもしれない」「自分もその状態になれるかもしれない」と思ってしまっているから、できない自分と比較してしまうのだそうです。

あきらめられていない状態は、自分のエネルギーが不得意なことを含めたいろんな方向に分散している状態なので、成果があまり出ません。

しかし、自分に向いていないことをあきらめて「やらないこと」を決めると、迷いがなくなって自分の強みをいかせるようになるそうです。

また八木さんは「努力には2種類あって、悪い努力といい努力がある」ともおっしゃっています。

悪い努力=自分のできないことを伸ばそうと自分を変える努力
いい努力=自分のできることに集中して自分を活かす努力

私はこの話にとても納得感が強く、それからは人と比べるのではなく、自分の強みを探すことに自分の気持ちや時間、エネルギーを使うようになりました。

そして他人と比較して自分を変えようとするのではなく、自分が持っている得意なことを表現したり発信する練習を重ねていった結果、リアルのコミュニティでもSNS上でも他の人と自分を比べることが格段に減りました。

もともと比較癖があって落ち込みやすかった私にとっては、これはとても大きな変化でした。

▼育児ではこの考え方でラクになれる

子育てをしていると、自分の子どもと他の子どもの成長を比べてしまったり、親としての自分を他の親御さんと比較してしまうことってありますよね。

先ほど紹介した「あきらめる」という方法は、ある程度人生を歩んできた人にとっては「できないことや不得意なこと」が分かりやすいので良い方法だと思いました。

ただ、生まれて数年の子どもについては「あきらめる」というアプローチはあまりしっくりきませんでした。

子どもはこれからいかようにも成長するし、性格や得意なことも変わっていく可能性が大人よりも大きいと思っているからです。

そんな私が現段階で子育てで大事にしている考え方で一番しっくりきているのは、「今はまだ思考」というものです。

それは、子どもの成長や発達で他の子と比べてできないことや不安なことがある場合に、「今はまだできないけど、いつかきっとできる」と思う考え方です。

例えば「同じくらいの月齢の子はもう話しているのに、うちの子は全然話さない」という場合、それも「今はまだ話せないけどいつか話せるようになる」と考えます。

発語に限らず、運動能力や、学習能力など全てにおいて、この考え方でわが子のペースを大切にします。

そうすると必要以上に子ども同士を比べることがなくなるので、親としてはかなり気が楽になります。

そして子どもが歳を重ねて成長するとともに親として子どもの素質や得意不得意も分かっていくので、そうしたら先程の「あきらめる」という方法も取り入れながら、子どもの長所を伸ばす関わりをしていけたら素敵だなぁと思いました。

私は自分の子どもに対しては、全てをオールマイティーにできる必要はなく、何かひとつでも好きなことや得意なこと、自信が持てることを見つけてもらえたらなと願っています。

また、親としての経験値も子どもの年齢と同じなので、まだまだこれから親として成長していけるはずです。

ちなみに私は妊娠中から産後しばらくまでうつ病の治療をしていましたが、そのときもこの思考が回復の手助けをしてくれました。

うつ病の時は「早く良くなりたい」「一刻も早くラクになりたい」と焦る気持ちが湧きがちです。そんな時に「今はまだ難しいけど、いつかきっと良くなる」「今の私にはまだ無理だけど、いつかきっとできる」と言い聞かせて焦らないように過ごしていたら、気づいた時には状況がかなりよくなっていました。

ただ、元気になり本来の自分を取り戻した今でも「イライラしてしまった」「全然うまくできていない」と、親としての自分を反省することはあります。

そんな時になりたい自分を見失わなければトライ&エラーで変わっていけると信じています。

育児は「今はまだ思考」で、親子で成長していけるように日々を積み重ねていきたいですね。

<SNSでも子育てに関する情報発信をしています>

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最後まで読んでくださってありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

国立大学で子どもの自立支援について研究中の子育て支援保育士。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月、2023年10月に男の子を出産した3児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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