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日本を震撼させた食品テロ、グリコ森永事件②

華盛頓Webライター
credit:unsplash

日本でも数は少ないものの、未解決事件は存在します。

その中でもとりわけ有名なのが、1984年に起こったグリコ森永事件です。

今回は日本を震撼させた食品テロ、グリコ森永事件について紹介していきます。

どくいり きけん たべたら しぬで

1984年6月、丸大食品5000万円を要求する脅迫状が届きました。捜査員たちは緊張の中、指定された高槻駅の電車に乗り込みます。

そこには「キツネ目の男」が、まるで劇のワンシーンのように彼らを見張っていました。

しかし、警察はこの怪しい男に手を出せぬまま、男は人混みに溶け消えたのです。

7月もまた脅迫状が届くが、犯人は現れません。

その後、森永製菓への脅迫事件が明らかになり、「わんぱくでもいい」と謳う丸大食品をもじり、「わるでもええ かい人21面相」と自称する犯人が、世間を嘲笑したのです。

9月、森永製菓に青酸入り菓子が送られ、「どくいり きけん たべたら しぬで」と不気味なメッセージが添えられていました。

警察が懸命に防犯カメラの映像を追うも、犯人の影はどこまでも深い霧の中へと消えていったのです。

大津の サービスエリヤ の 身障者用の ちゅう車場の ○印の ところで とまれ

credit:pixabay
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1984年11月7日、ハウス食品工業(現:ハウス食品グループ本社)の社長宛てに、1億円を要求する脅迫状が届きました。

犯人は、青酸ソーダ混入のハウスシチューや、江崎グリコ社長を拉致した際の録音テープを同封し、現金の受け渡し場所を京都市伏見区のレストラン「さと」と指定したのです。

11月14日、捜査員たちはハウス社員に扮して現場に待機し、周囲を厳重に警戒します。

20時20分、犯人からの電話があり、受け渡し場所を「城南宮バス停のベンチ裏」と変更。

さらに、4回にわたって指示が変更され、大津サービスエリアの駐車場草津パーキングエリアの駐車場へ移動させられました。

捜査員はその都度対応し、現金を輸送する車も指示に従い移動を続けます。

その途中、警察は「キツネ目の男」と呼ばれる不審な人物を複数回目撃しましたが、職務質問や逮捕は許可されていなかったため、行動を制限されていました。

結局、犯人は現れず、現金受け渡しは失敗に終わります

その後、滋賀県の警察官が無灯火で走行していた白いライトバンを発見し職務質問を試みましたが、バンは急発進し、パトカーとのカーチェイスの末に逃走。

ライトバンは11月12日に盗まれた車であることが判明しました。

この一連の捜査の失敗は警察に大きな影響を与え、滋賀県警本部長は責任を感じ焼身自殺し職務質問を試みた外勤課員も辞職する事態に発展したのです。

11月19日にはハウス食品工業の課長宛てに、11月14日の現金受け渡しの詳細が記された脅迫状が届き、「今は森永製菓を相手にしているが、暇になったらまた連絡する」と犯行休止を示唆する内容が書かれていました。

12月11日、パトカーに乗っていた警察官の証言に基づき、不審車両の運転手の似顔絵が公開されましたが、事件解決には至りませんでした

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