川崎鷹也 大切な人に向けた、大切な歌を、一夜限りのセッション。優しさで包み込んでくれるその歌の世界
毎回一組のアーティストと、日本を代表する編曲家・ミュージシャン達が生演奏にこだわり、その日限りのアレンジでセッションする音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)。上質なサウンドを追求し、そこから生まれる“熱”を届け続けている。9月17日(土)放送回は、9月14日にカバーEP『白』をリリースしたシンガー・ソングライター川崎鷹也が登場。そのEPに収録されている昭和の名曲と、自身の大切な曲を披露した。
祖母が大好きな美空ひばり「愛燦燦」を、名匠・船山基紀アレンジでカバー
1曲目は美空ひばりの「愛燦燦」(1986年)を名匠・船山基紀のアレンジで披露。この曲を選んだ理由を聞かれた川崎は「コロナ禍で実家に帰れなくなって、おじいちゃんとおばあちゃんとあと何回ご飯が食べられるんだろうってふと思って」、祖母が大好きな「愛燦燦」をカバーEPに入れようと思ったという。柔らかくかつ叙情的アレンジで、ストリングスが感情をくすぐる。川崎の歌が熱を帯び、ドラマティックになっていく。セッションを終えた川崎は「美空ひばりさんと曲にリスペクトを込めながら、この曲をどうやったら伝えられるかをずっと考えながら歌っていたら、緊張しました」と語っていたが、船山は「声が素晴らしくて、指揮をしていて涙が出てきました」と川崎の歌を絶賛していた。
「新たな気持ちで歌えた」冨田恵一アレンジの“始まりの歌”『魔法の絨毯』
川崎は2018年にインディーズでリリースした「魔法の絨毯」が、2020年TikTokを起点にバイラルヒットし、一躍注目を集める存在になった。シンガー・ソングライターとしてのターニングポイントなった大切な曲は、結婚前の奥様への思いを紡いだ等身大のラブソングだ。そんな大切な曲を、この日は冨田恵一のアレンジで披露した。オリジナルの弾き語りの温もり、川崎のアコギを活かした、優しいストリングスが寄り添う温かなアレンジに仕上げた。ひと言ひと言大切に伝えるように歌い、川崎の人柄がダイレクトに伝わってくる。「何回も歌っている曲ですが、この曲を作った時のような気持ちで歌えました」と新しいアレンジに感動していた。
本間昭光アレンジの「カレンダー」は、「伝えたかった以上のものを伝えられた気がする」
ラストは「魔法の絨毯」のその後のストーリーとでもいうべき、奥様への感謝の思いと愛を歌ったリアルラブソングの「カレンダー」を、本間昭光のアレンジで披露。本間はアレンジをする際「コードを変えたい」と川崎にリクエスト。それは「この曲は熱い気持ちで書いているけど、結婚して少し落ち着いた夫婦感を出したかった」と、アレンジのポイントを教えてくれた。オーボエをフューチャーした、どこまでも優しいアレンジになった。オリジナルとは違うニュアンスを感じさせてくれる歌は、川崎本人も発見があったようで「伝えたかった以上のものを伝えられた気がする」と、本間のアレンジを楽しんでいた。
「何気ない日々、なんでもない毎日をいかに愛せるか、これからもそれを歌にして歌い続けていきたい」
全てのセッションを終えた川崎は「僕は音楽で大層なことを伝えたいわけではなく、何気ない日々やなんでもない毎日を、いかに愛せるかを今まで歌ってきました。これからもそこに寄り添える曲を作り、歌い続けていきたい」と決意を新たにしていた。
川崎鷹也のパフォーマンスが楽しめる『Sound Inn S』(BS-TBS)は、9月17日(土)18時30分~からオンエアされ、さらに番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。
『Sound Inn S』は、“Music with Art”というコンセプトの元、毎月注目のクリエイタ―とコラボし、番組のロゴを制作している。9月は話題のアーティストAkari Uragamiさんが描き下ろした。「さまざまな音が互いに影響し合いひとつの景色になるイメージで描きました。元のロゴのSも音のひとつであってほしかったので文字に見えるか見えないか、ぎりぎりを攻めました」。音楽とアートが交差して生まれる“何か”。それを想像する時間は豊かな時間になる。