【渋谷区】Google Mapの謎の道<国府道>
Google Mapに載っている道路名は「二軒屋道」「十二社通り」など名前の意味を調べると面白いものがあります。渋谷区内を横切る「国府道」という名前の道路についてリポートします。
幡ヶ谷氷川神社と国府道
「国府道」と書かれた道路は渋谷区の幡ヶ谷氷川神社の前を通っています。ハチ公バス(本町・笹塚循環 春の小川ルート)も通る狭く細い裏道です。
秋の大祭には国府道沿いに露店が多く並び、境内から神輿が降りてきます。とても活気のあるお祭りです。
幡ヶ谷氷川神社で国府道について尋ねてみました。
---神社の前の道が「国府道」という表記ですが、なにかご存知ですか?
「国府道は存じませんが、旧鎌倉街道であったとは伝え聞いております」
旧鎌倉街道というヒントをもらえました。しかし鎌倉街道関連で国府道をネットや図書館で調べましたが見つかりませんでした。
国府道の出発点は新宿区の十二社熊野神社
国府道と記された道の出発点は新宿区の十二社熊野神社(じゅうにそうくまのじんじゃ)です。都庁前の新宿中央公園の一角にあります。例大祭では神輿が新宿の街中を練り歩きます。
国府道のスタート地点、神社の方に話を聞いてみました。
---(幡ヶ谷氷川神社で聞いた話を説明して)十二社熊野神社さんが出発点ですが何か言い伝えなどありますか?
「私は存じておりません。神主は忙しいようで、神社のパンフレットはそちらにございます」
パンフレットに旧鎌倉街道のことは書かれておらず「国府道」については電話やメールでの問い合わせも受け付けていないということでした。
「国府道」の終着点、杉並区の大宮八幡宮
次は「国府道」の終着点、杉並区の大宮八幡宮に行きました。
ネットで調べたところ、街道となるに至らなかった「古道」という道が複数あることがわかりました。甲州街道が出来る前の話です。
大宮八幡宮の水色の袴がきれいな神職の方にお話を聞きました。
---(幡ヶ谷氷川神社、十二社熊野神社の話を説明)、国府道や旧鎌倉街道が大宮八幡宮の正鳥居を入ってくるルートで大宮八幡宮が終着点になっているのですが、なにか言い伝えなどあれば知りたいです。
「国府道は分かりませんが、たしか街道は高千穂大学や浜田山小学校などが出発点になってます。鎌倉街道は南北に延びるものと東西に延びるものがありますが、十二社熊野神社からというのは聞いたことがないですね」
調べたところ、高千穂大学が出発点となるのは人見街道でした。府中市八幡と杉並区の大宮八幡宮を結ぶ街道です。国府道も同じ神社~神社までの道です。新宿区の十二社熊野神社~渋谷区の幡ヶ谷氷川神社~杉並区の大宮八幡宮と同じです。
住宅街の中の角をいくつも曲がる渋谷区の幡ヶ谷氷川神社の前の「国府道」沿いには慶応三年創業の呉服屋さんなどが現在もあることから賑わっていた古道のようです。街道ほど人通りが多くなかった「古道」が渋谷区にはたくさんあります。道路の名前、坂の名前などの理由を尋ね歩くのも楽しいです。
幡ヶ谷氷川神社(はたがやひかわじんじゃ)
東京都渋谷区本町五丁目16番2号