朝は「山線」俱知安駅からスタート!JR北海道キハ201系気動車
JR北海道・函館本線のうち、長万部ー小樽・通称「山線」は、北海道新幹線が札幌駅まで開業すると廃止され、バス転換される方向になりました。
「山線」は現在臨時列車を除いて、特急や急行が走らないローカル線。しかし蘭越ー小樽は、高性能で電車との協調運転が可能なキハ201系気動車も走る、鉄道が好きな人には面白い路線でもあります。
新幹線開通までの間に、ローカル線で普通・快速として走る珍しいバケモノ気動車に乗る旅はいかがでしょうか。「山線」の列車は大半がH100形気動車によるワンマン運転ですが、キハ201系気動車には車掌が乗務します。
運行で重要な俱知安、小樽、札幌の3駅でキハ201系の動きを追ってみました。
なおキハ201系気動車の朝模様については下記動画でも取り上げています。外国人向けに英語字幕付きですが、You Tubeの字幕機能をONにすれば日本語字幕が出ます。
JR北海道・キハ201系気動車とは?
キハ201系気動車は1996年に製造されたJR北海道の車両。現在3両編成4本(12両)が札幌市にある苗穂運転所に所属しています。
現在は蘭越・俱知安ー小樽・札幌間の快速列車や普通列車で主に運用されるほか、札幌圏普通列車で走る場合も。
車内はロングシート(下記写真)で、札幌圏の混雑に対応しています。
キハ201系気動車は朝の山線でどう動くのでしょうか?
早朝の俱知安駅はキハ201系回送にも注目!
キハ201系気動車の朝は俱知安駅から始まります。
俱知安駅の改札は7:35~18:30オープンで、早朝深夜は業務が行われません。しかし深夜勤務のJR職員が駅にいます。平常時は夜24時頃に鍵がかかるので、深夜俱知安駅に残る事は出来ません。
俱知安駅近くの宿泊施設を始発に合わせて朝5時頃に出発する場合、予約前に施設へ可能か問い合わせることをオススメします。更にチェックイン時刻にも要注意!遅すぎると宿泊出来ない施設も。
始発は5:20発小樽行き普通列車。ワンマン運転です。
なおこのH100形、前日の小樽発最終普通列車1966Dで使用された車両。
1.ニセコライナー回送(俱知安→蘭越)
俱知安駅一番列車が5:20に発車すると、俱知安駅の引上線ではキハ201系気動車の動きが慌ただしくなります。
深夜に俱知安駅の引上線に停車していたキハ201系気動車は2編成。うち1編成が5:22に動き出します。
俱知安駅北側にある引込線に進んだ後、南向きに進んで2番ホームに入線。
ホームに入ったのですが、ドアは開きません。
実はこの列車、蘭越発札幌行き快速ニセコライナーになるために俱知安から蘭越まで回送が行われるのです。
俱知安を5:38に発車し、蘭越に6:08に到着。
折り返し6:16蘭越駅発となります。
2.俱知安発苫小牧行き普通列車
1編成が蘭越へ向け発車してからすぐに、もう1編成が動き出します。
引上線から俱知安駅北側に移動し1番ホームへ。5:52に入線。
6:20俱知安駅発苫小牧行き普通列車となる編成です。
俱知安駅発車の時点では、キハ201系気動車の行先表示は「苫小牧」となっています。
発車20分以上前に入線している理由は6:09になると判明。H100形気動車が小樽方面から入線してきたからです。
俱知安駅に到着後、6:22発長万部行き普通列車に。
現在の俱知安駅は小樽方面のみ発着出来る1番ホームと、
小樽方面と長万部方面両方が発着出来る2番ホームのみ。
1番ホームからキハ201系気動車1編成で6:20発苫小牧行き普通列車が発車しました。
3.蘭越発札幌行ニセコライナー
苫小牧行普通列車が発車して約30分後、5:38に蘭越へ回送したキハ201系気動車編成が6:53に倶知安へ戻ってきます。
快速ニセコライナー・札幌行きです。
4分停車し、運転士や車掌は交代せずに発車しました。
朝の小樽駅でどう変わる?キハ201系気動車と731系電車の協調運転は1本
俱知安駅を朝発車した、キハ201系気動車の普通列車1本と快速ニセコライナー1本は、小樽駅でどんな動きを見せるのでしょうか。
なお小樽駅は非電化の函館本線「山線」の終点。小樽から先・札幌方面は電化されています。
小樽で俱知安発苫小牧行き普通列車に731系電車を連結!
キハ201系気動車3両で運転される6:20俱知安発普通列車が小樽駅7:22到着します。山線の非電化区間は小樽で終了。小樽駅で最も山側の1番ホームです。
停車位置が通常の列車と違います。
キハ201系気動車到着前には1番ホーム隣の線路に連結する731系電車が待機していました。到着直前に一度札幌方面の線路に移動します。
キハ201系気動車は小樽駅到着してすぐに連結準備。
札幌方面から731系電車がやって来ました。
連結し、次は専用コードをつなぎます。
連結部の幌は手作業でつないでいました。
乗客は731系電車とキハ201系気動車の間を行き来可能。
後方キハ201系気動車の行先表示が「苫小牧」から「札幌」に変わっていました。
一方、前方731系電車の行先表示は「苫小牧」。
つまりキハ201系気動車は俱知安ー札幌、
731系電車は小樽ー苫小牧の運転。
札幌駅で切り離し作業があります。
小樽ー札幌間を6両編成で運転する、苫小牧行き普通列車・電車と気動車の協調運転列車が小樽駅を発車。
快速ニセコライナーは3両編成のまま小樽を発車!
一方、後から俱知安駅を出た快速ニセコライナー札幌行は小樽駅ではどうでしょうか?
蘭越から8:01に到着。
小樽駅で連結作業がありませんが、17分停車します。実はニセコライナー停車中、札幌方面普通列車が5番ホームから8:08に発車するので、急ぐ乗客は乗り換えてしまいます。
朝ラッシュ時に手稲駅などで普通列車を追い抜けるダイヤを作れないのです。
札幌へ向けてようやく発車します。
キハ201系気動車の朝は札幌に着いて終了!
札幌駅で終わり!電車と気動車の協調運転
前方731系電車3両、後方キハ201系気動車で走る苫小牧行普通列車は札幌駅8:18に到着。
実はキハ201系気動車3両は札幌駅までの運転!札幌駅では切り離し作業が行われます。そのため小樽から桑園駅までの列車内では「札幌から先までご乗車のお客様は前3両をご利用ください」の放送が。
8:26に731系電車3両で苫小牧行き普通列車は発車。
キハ201系気動車は回送列車となります。
8:30過ぎに苗穂運転所に向け回送。
ニセコライナーは3両のまま札幌へ!
キハ201系気動車3両で小樽駅を出発したニセコライナーは朝ラッシュが終わる8:57に札幌駅に到着。
札幌駅到着後、土日祝日は苗穂運転所へ回送。平日は平日・電化区間のみ運転!札幌周辺を走るキハ201系普通列車に乗ったをご覧ください。
まとめ
札幌圏と「山線」の朝ラッシュの中に高性能気動車が活躍する様子とその関連内容をまとめてみました。日本唯一の電車と気動車の協調運転が行われ、バケモノとも呼ばれる高性能気動車を体感しに、函館本線「山線」の旅はいかがでしょうか。
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