夏休み!子どもの遊びに不安がなくなる「プレイワーク」の考え方
こんにちは!保育士ごんちゃんです。
現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。
今回は夏休みシーズンに、親が子どもの遊びを見守るときに知っておくと気がラクになる「プレイワーク」の考え方から学んだ子どもの遊びに関するお話です。
▼子どもにとって遊びとは?
私は乳幼児期の子どもにとって、食事や睡眠などに並んで大切なことが「遊び」だと考えています。
そのように考えるようになったキッカケには「プレイワーク(Playwork)」という1980年代にイギリスで生まれた学術分野を学んだことが大きく影響しています。プレイワークは、子どもの遊びに関わる大人のあり方や環境づくりが、実践的・学術的に体系化された専門知識です。
日本プレイワーク協会は、PLAY(遊び)を「“やりたい”からはじまるすべてのこと」と定義づけています。
プレイワークでは「大人の用意した遊びのプログラムや活動を子どもたちにどのようにうまく導入するか」という方法論や技術論は、中心的な課題ではありません。
それはプレイワークが「子どもは自ら遊ぶ力を持っている」「何をどのようにして遊ぶのかは、子ども自身が決めるもの」ということを前提に成り立っているからです。
子どもにとっては、おもちゃや遊具だけでなく、身の回りの生活で触れる人やもの、環境のすべてが「遊ぶ場」となり「遊ぶ道具」となる可能性を持っています。
プレイワークの視点で子どもの遊びを見ていくと、大人がアレコレと子どもに遊びを提供しなければならないと考える必要はそもそもないのだということがわかります。
▼何をしているかよりどんな気持ちでいるのか
子どもの遊びを考える時、私たち大人は「何をしているか」に注意が向きがちです。例えば、知育玩具で遊んでいるかや、おにごっこやおままごとなど名前のついている遊びをしているかどうかなどです。
しかし遊びを捉えるうえで大切なのは子どもが「何をしているか」より「どんな気持ちで遊んでいるか」です。
大人からしてみたら何が楽しいのかよくわからないような行動が、子どもにとっては夢中でやっている遊びであることはよくあります。
例えば、ティッシュを延々と箱から出したり、その辺に転がっている石を次から次に集めたりと大人にとっては「何が楽しいの?」と思うような行動が、子どもにとっては楽しくてたまらないんですよね。
そのため子どもの様子を見て、一人でも夢中になって遊んでいたり、きょうだいやお友達とわいわい元気に遊んでいれば、「何か特別なことをさせないと」と思う必要はないということです。
むしろ何をどのようにしてどんなふうに遊ぶか、子ども自身が決めて自由に遊んでいるときは、子どもの自主性や創造力などの様々な生きる力が育まれています。
親は子どもが遊んで過ごせる環境づくりができていれば十分で、あとは子どもの遊ぶ力を信じて見守ることができればOKです。
▼子どもの遊ぶ力を信じて夏休みを楽しく過ごそう
子どもの夏休み期間、親が頭を悩ませることってたくさんありますよね。
・部屋が散らかってばかりでなかなか片付かない
・親もやりたいことがあり、なかなか一緒に遊べず子どもがヒマそう
・暑くて外に行けなくて、テレビや電子ゲームの時間が増える
・遊んでばかりで宿題をしない
など、気になることがあるかと思います。そんな時こんなふうに考えてみてください。
部屋が散らかってばかりでなかなか片付かない
プレイワークでは、「あまりに整頓された空間は、子どもの遊ぼうとする意欲に火をつけない。空間自体が多少乱雑であること。ここはいじくりまわしていいのだ、という雰囲気をかもし出していることが大事な要素となる。」と言われています。
SNSなどを見ていると、きれいに片付いてきっちり整頓された子ども部屋に憧れることってありますよね。しかし子どもの遊びの発想力をかき立てる意味では、多少散らかっているくらいのほうが良いということなんですよね。
親自身が部屋を綺麗にするのが楽しくてたまらない、そして子どもと一緒に楽しんでいる!という場合はそれでもいいかもしれませんが、無理して綺麗に保つことを意識する必要はないということです。
親もやりたいことがあり、なかなか一緒に遊べず子どもがヒマそう
先述の通り、子どもの遊ぶ力を信じて多少放っておいても大丈夫です。むしろ付きっきりでアレコレ遊びを提案したり、遊び方を指定したりするほうが子どもの自ら遊ぶ意欲を奪ってしまいます。
親も自分のやりたいことをやっていいし、同じ空間で親子が互いのやりたいことをやって過ごす時間があってもいいと思います。
また、もし子どもがぼ〜っとしたり「ヒマ〜」と退屈そうにしていたら、それは子どもの発想で何かが生まれるかもしれないチャンスです。「退屈は創造の母」だと思って、子どもの自ら遊ぶ力に任せましょう!
暑くて外に行けなくて、テレビや電子ゲームの時間が増える
テレビや動画視聴については、そもそも罪悪感を持ちすぎる必要はありません。家庭内でうまく使って、家族の時間が楽しいものになればそれでOKです。
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これからは子育てにテレビやYouTubeをうまく活用しよう!
またゲームや電子機器との付き合い方に関しては、家庭内でそれぞれ方針があるとは思いますが、私はバランスが重要と考えています。
脳への影響などが語られることが多いですが、他の活動とのバランスをとって適度に楽しむ分にはよいのではないかと思います。今はeスポーツなど、ゲームのプロと呼ばれる人が活躍できる時代でもありますし、ゲームに熱中できることは一つの才能でもありますよね。
遊んでばかりで宿題をしない
まず「遊んでばかり」ということを否定的に捉える必要はありません。むしろ乳幼児期に一人で熱中して遊んだり、仲間と思い切り遊ぶ経験は、その後の人生の糧にもなります。
しかし人生というものは、自分のやりたいことだけではなく、やらなければいけないことともうまく付き合っていくことは大切ですよね。子どもにとってはそれを学ぶ場が宿題という存在だと思います。
宿題が思うように進まないという時は、宿題を遊びやゲーム感覚でできるような工夫をするのもオススメです。例えば、スタンプラリーを作ったり、宿題の後に楽しみを用意したりするのもいいですね。
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!