コロナ禍で採用担当者・リクルーターが気をつけたい3つのアプローチ。大人な対応が企業ブランドを守るワケ

コロナ禍だからこそ採用担当者・リクルーターのアプローチが重要になってくる。(写真:アフロ)

就活ルールが形骸化されている中で今年は本来「東京オリンピック」の開催が予定されていた為、21年卒向け新卒採用は6月末をゴールに各社前倒しで準備を進めていたこともあり、内定状況の進捗スピードは例年以上だった。ところが、広報解禁とされている3月1日と新型コロナウイルス感染拡大のタイミングが重なり状況は一変した。

ディスコ社が発表した6月1日現在の内定率64.0%(前年比較7.1ポイント下回る)、就職活動終了者は全体の35.2%(前年比較8.7%下回る)という状況から考えても6月末では学生も企業も活動完結には至らないようだ。

内定率の推移(調査:株式会社ディスコ)
内定率の推移(調査:株式会社ディスコ)

就職活動継続学生の動向

その中で注目したいのは既に内定を取得している学生で「まだ就職先を決めていない層」だ。ディスコ社のデータでは内定取得学生のうち就職先を決めていない理由は「本命の企業がまだ選考中」が半数を超えて圧倒的だった(55.1%)。つまり多くが本命企業の結果次第という状況だ。次いで「自分に合っているのかわからない」(20.7%)となり企業とのリアル接点が減少したことで、意思決定する為の情報が今年は少なくなり判断しきれていないようだ。一方で「複数内定で優劣つけがたい」という回答は9.8%で、前年比で7ポイント下回りコロナ禍の就活では複数の内定を獲得する難易度が見えてくる。

就職活動継続学生の動向|内定保持者が継続する理由(調査:株式会社ディスコ)
就職活動継続学生の動向|内定保持者が継続する理由(調査:株式会社ディスコ)

内定承諾は2社以上

昨今、内定承諾を2社した上で内定式に参加して役員祝辞や先輩社員、内定者のレベルを最終判断要素として入社意思を固めるケースが出てきている。ところが、今年は企業の業績、経済そのものの先行きが不安であることから「複数企業で内定承諾をして年明けの経済状況と内定先のコンディションを判断した上で入社先を判断する」と考える学生が増えている。周囲の支援者もそのようなアプローチをしているケースがみられるようだ。採用担当者、リクルーターが聞けば悲しくなると同時に危機意識が高まる話でもある。

(詳しくは→「複数企業で内定承諾をする学生が急増しているワケ。コロナ禍の就活にある落とし穴とは。」)

コロナ禍の就活で学生が企業に求めるのはリアル接点

たしかに今年はオンライン就活が主流で企業が学生に届けたい情報が薄れているのがリアル。学生視点でも「本当に自分に合っているのか分からない」というように情報が足りていない。さらに新型コロナウイルスの影響で経済が今後どのように進んでいくのか、感染拡大の2波は来てしまうのか、などの不安が拭い去れない厳しい環境になっている。

その不安はデータでも読み取れる。内定を得た企業に就職するかどうかを決めるために「フォローは必要ない」との回答は9.2%にとどまり、意思決定をする為に何かしらのフォローを必要としている学生が大半を占めていることがわかった。

意思決定する為にフォローが必要か|企業に求める内定者フォロー(調査:株式会社ディスコ)
意思決定する為にフォローが必要か|企業に求める内定者フォロー(調査:株式会社ディスコ)

では、採用担当者やリクルーターはどのように学生と関与すべきなのか

データでは新型コロナの影響でオンライン接点がほとんどで、リアル接点に制限があったことで内定後に改めて企業を知る機会や情報を必要とする学生が増えていることがわかる。具体的な内容として最も多いのは「現場社員との面談」(52.2%)、「人事担当者との面談」(42.5%)、「社内や施設などの見学会」(39.8%)が4 割前後で続く。やはり「オンライン面談」(25.6%)や「オンライン懇親会」(18.6%)は低く、意思決定前にリアル接点を増やし企業理解を深めたいという学生が多いことが推測できる。

コロナ禍の就活で採用担当、リクルーターがすべきコト

学生が不安や情報不足で例年のような意思決定ポイントではないことが分かって来た中で採用担当者や日々、内定者とコミュニケーションをとるリクルーターはどのようなアプローチをすべきなのかを整理したい。

1、オンラインとリアルのハイブリッド型フォロー

今年の内定者研修、懇親会などを含めた内定者フォローもオンライン化している。とは言え、学生は意思決定する為にリアル接点を求めているのも事実。内定承諾をしていても他社選考を続ける、複数内定の承諾をするという状況である為、3密を避けながら可能な限り個別面談などのリアル接点を工夫して創出することが勝負のポイントになりそうだ。そこで学生にオンラインで与えられてこなかった非言語情報を如何に届けるかという点に注力したい。

2、「未来予測」を展開する

学生が決めきれない、不安になる要素で今年ポイントになっているのが「未来予測」だ。未来は分からないにしても、自社から見えている景色の中で属する業界がafterコロナでどうなるのか、自社は具体的にどのように新しい時代に適応していくのか、競合比較についてどのように考えているのかなど学生が欲しい情報を先にぶつけていくことが心理的なアプローチしても有効だ。

3、入社後のイメージを作り上げる演出

学生が入社後に感じるリアリティ・ショックは76.6%とこれまでの『古い就活』でもミスマッチは問題となっているが、コロナ禍の就活ではオンライン中心でどうしても学生視点では「入社後のイメージが出来ない」という状況だ。その為に、リアル接点で学生が求める非言語情報を届ける工夫に加えて実際にオフィスで働くイメージを持ってもらう演出が必要になるだろう。VRや動画配信などが学生は受け入れやすいようだ。

大人な対応が企業のブランドを守る

コロナ禍では就活における学生、企業の活動、意識を大きく変化させる必要がある中で、特に企業が意識をしたいのは『学生のホンネを理解すること』だ。データや学生の声を見てみても今年は「不安」が拭い去れずに、結果、採用担当やリクルーターに真実を伝えられないケースも多々あるはずだ。

そこに対して高圧的なアプローチや他社批判をするような毎年問題とされているようなアクションをすることで企業ブランドを傷つけてしまうということを忘れてはいけない。

『疑って学生を傷つけるなら、信じて裏切られろ』

最後まで信じ抜いて、真摯な態度を貫くことがいつかの顧客を作ると信じて、ぜひ大人な対応を徹底して欲しい。

はたらくを楽しもう。

【参考】

・就活情報、社会人接点ポイントはTwitterで発信中(ご相談はDMにて受け付けています)

『新しい就活』

・就活のリアルを公開:YouTubeチャンネルはこちら