【潜入取材】「採用がすごい会社」に選ばれるNRI新卒採用の実態に迫る

就職人気ランキングの常連「野村総合研究所(NRI)」の新卒採用に迫ります。

近年、就活市場は「超売り手市場」という名のもとに、企業にとって「採用」は重要な経営課題となっている。いっぽうで、就活生からすれば従業員5000人を超える人気企業の求人倍率は0.4倍以下と「買い手市場」が続いている実態もある。企業も就活生も「採用」に関しては難易度の高い時代となっている。

さらに新型コロナウィルスの影響で合同説明会や採用セミナーが中止になり、面接がWEB中心になる異例の事態となっている。一部では内定取り消しや採用枠の縮小という話も出ており学生・企業双方にとって採用難はさらに加速するだろう。直近では超買い手市場、就職氷河期という声も出ている。

6000社の中から選ばれた「採用がすごい会社」

そんな中、優秀な学生を着実に獲得している企業を選出するべく、昨年、Forbes JAPANが就活クチコミサイトを運営するワンキャリアと共に「採用マーケットにおける勝ち企業を選出するアワード」を実施した。

アワードでは、際立った採用戦略で優秀人材の獲得に成功している企業を、学生クチコミおよび企業アンケートと共に選出している。対象企業は6000社となっておりTOP10が紹介されている。

進化を続けて不動の人気獲得

今回【潜入取材】出来たのは採用市場との対話を続け、毎年採用にマイナーチェンジを加える人気企業の常連『野村総合研究所(NRI)』だ。過去10年分の社員の気質・性格検査に関するデータと学生の性格検査データを照合・分析し、面接時の参考にするなど科学されていることで知られる一方で「優秀な学生が内定を採りそうな企業」としてもランキングされたNRI。その中でも少数精鋭と言われる経営コンサルティング部門の新卒採用に迫る。

尚、【潜入取材】を受けて頂けたのは経営コンサルティング部門 採用担当の毛利 一貴氏と山中 幸輝氏。コンサルタント出身で採用最前線の人事ということでリアルな話が聞けた(役職は2019年12月の取材当時のもの)

野村総合研究所(NRI)経営コンサルティング部門 採用担当 山中 幸輝氏(左)、毛利 一貴氏(右)
野村総合研究所(NRI)経営コンサルティング部門 採用担当 山中 幸輝氏(左)、毛利 一貴氏(右)

個別での対話を大切にしている

まずは率直に「人気企業ランキング」「採用がすごい」と評価されていることについて聞いてみた。

NRIの採用で拘っているポイントは3つにまとめられる。

1:コンサルティングファームなので「人が唯一の売り物」という価値観。だから絶対採用に手を抜かないし妥協をしない。

2:書類選考もその後の選考においても、採用担当のみならず、現場第一線のコンサルタントが複数の目で多面的に評価。

3:長く一緒に働いてもらう必要がある会社なのでミスマッチを最大限に避ける。

学生にとって良い就活をした結果として、NRIに意思決定してもらいたい。選考プロセスの中でしっかりとフィードバックと対話を重ねることで、「自社」と「学生」の双方のためになる採用活動を展開したい。

本当にNRIの仕事を一生懸命やりたいかを徹底的に確認するというスタンスが印象的だ。長く働けるという良さをもつ日系企業だからこそ相思相愛の状態で入社して欲しい、そのために対話を大事にしているということだ。

インターンシップに参加した学生はフォローを含めて対話を繰り返すという。インターンシップの選考で惜しくも落ちた学生に対しても、継続して対話することもあるとのことでその手厚さには驚かされた。

就活の早期化が進み、「就活プロ」も増えてくる中で、十分に自身のキャリアが考えられていない学生が多いという時代背景を考えてキャリア教育視点を持つようになっているのも対話への拘りのように感じた。

役員・現場社員を巻き込んだ新卒採用

実際に学生にはどのようなアプローチをしているのか?

なぜ?の言語化を通じて入社してほしい人材かを確かめることが、結果として、学生にとっては「ホントにNRIの仕事をやりたいか」を自問自答する時間になると言う。またインターンからの出会いから2年近く対話するケースも増えている。

インターンシップの数日間に、1on1を複数回繰り返す中でNRIをさらけ出す。そこで学生のもっている誤解を解くことに時間とお金を投資するのが基本アプローチのようだ。

またインターンシップでは1チームに社員が10人近く参加することもあるようで、学生との対話を重視していることがここでも読み取れる。

当然、経営陣の新卒採用への協力も徹底されており『新卒採用』を大切にする姿勢がうかがえる。

NRIが考える優秀な学生とは?

やはり優秀な学生を採用のターゲットにしているのか、と聞いた。すると、「優秀」という言葉はNRIの採用においてはある意味でネガティブな表現と言う。その真意は?

「優秀」という言葉は、「学校秀才」のイメージを持つ。ある意味受け身であり、与えられた課題を打ち返す、その反復をこなしていくという印象である。もちろん、そういう力も必要ではあるが、コンサルティング業務においては、課題自体がはっきりしていないことも多い。そのため、学生には「あなた個人としてどういう問題意識があるのか」とか、「その課題に対してどういう決断を下すべきと考えるか」などを問いかけるようにしている。

一方で注意しなければいけないのが、「評論家」になってしまってはいけないということだ。就活を始めるまでは自分の興味範疇を中心とした狭い世界で過ごしていて、社会人との接点をなかなか持てない学生も少なくはない。

そうした学生は、自分視点で物事を捉えてしまう、いわば評論家タイプであることが多い。一方、コンサルティングは顧客の意見を聞いてその思考の筋道を辿り、その人の見える世界で物事を理解することが求められる。そういう意味では、面接の場で面接官と話をする中で色んな発見をしてほしいと思っているし、その気付きでもって成長をしてほしいとも思っている。

普段から世の中への興味・関心を高く持ち、知識だけではなく自分なりの見解を持つ習慣が必要なのだろう。

あなたの好きに出来る会社

最後に、NRIという会社を学生にどのように捉えて欲しいのかを聞いてみた。すると老舗の人気企業のイメージとは異なる表現が出て来た。

「あなたの好きに出来る会社」

NRIの看板と知名度をフルに使いつつ、自身の野心・ビジョンをもって、コンサルティング道を突き進んでもらいたい。

NRIは日本発でグローバル展開も推進するコンサルティングファームではあるが、欧米に本拠を置くようなグローバルコンサルティングファームからみれば、ベンチャー企業でもあり、これからグローバルで挑戦をしていく立場。となれば、組織はフラットであるべきで、例えば20年プレイヤーであっても1年目の意見を柔軟に受け止めて、チームとしての成果を最大化するよう努めていくことが求められる。逆を言えば新人でも意見を持つこと、発言することが絶対に必要な条件になってくる。

自由だからこそ本当に厳しい環境ある

今回の【潜入取材】で感じたのは、大手人気企業であるNRIは、学生がもつ「タテ社会の会社」というイメージとは裏腹に、サッカー選手のように、フィールドでは年次関係なく発言をすることに価値がある組織だということ。

「グローバル視点ではまだまだベンチャー」という表現にあるように、外に目を向けているからこそ、柔軟な思考がそこにある。NRIのビジョンに共感し、くともに成長してくれる社員を採用することに拘りが強く、学生との対話に力を入れているのだ。学生から選ばれるためには「全部見せる」というスタンスもしっくりくる。

これまで持っていたNRIのイメージとのギャップは、良くも悪くもキャリア選択には重要なポイントになるので、参考にして企業研究に活かして欲しい。

※最後に仕入れた情報としては、「就業時間に関しての厳格なマネジメント」。コンサルティングの世界では長時間労働が付き物のような印象があるが、NRIは徹底している。これは若くから密度濃く仕事をこなしていく必要があるという言い方も出来るので、かえってハードだと言える。このあたりのリアルなバランスまで就活生はチェックをしていくことで自分の入社後の成長イメージが出来るのだろう。

はたらくを楽しもう。