”菅政権初”日韓協議 韓国メディアの反応 「徴用工=平行線」「日中韓首脳会議=菅首相の出席明言なし」

(写真:アフロ)

29日、外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長が訪韓し、アジア太平洋局キム・ジョンハン局長と2時間の会議を行った。菅政権発足後初の日韓外務省局長級協議が行われたのだ。

  • 関連ニュースを報じる「KBS」

ソウル市内鍾路区の韓国外務省関連施設で行われた協議の最重要課題は、当然のごとく今年12月にも想定される「現金化問題」。韓国メディアの多くは「平行線」という言葉やそれに近いニュアンスを用いてこれを報じた。

「韓日 菅就任にも強制徴用『平行線』…『対話で解決には共感』(聯合ニュース)

「菅就任後初の局長級協議…立場の違いを再確認」(YTN)

「8ヶ月ぶりに会った韓日局長…立場の違いだけを確認」(ハンギョレ新聞)

では韓国メディアは何をもって「平行線」としたのか。「聯合ニュース」の報じた内容が簡潔にまとまっており、韓国側の認識が再確認できるものになっている。

日本

  • 徴用工判決は国際法違反の状態
  • 徴用工判決による日本製鉄の韓国所有財産の「現金化」は韓国国内で防ぐべき
  • 「現金化」が実行された際には両国の関係に大きな支障をきたす
  • 問題解決には韓国政府の努力が必要
  • ホワイト国除外と徴用工判決の問題は別のもの

韓国

  • 不当なホワイト国除外の状態を迅速に解除すべき
  • 日本側が問題視してきた輸出体系の不備は改善した

「聯合ニュース」はまた韓国側の外交関係者のコメントとして次の内容も紹介した。ズバリ、多くの読者が知りたい内容だ。

――日本の首相が変わり、日本の立場に変化はあったのか?

「解決をするという意思の水準が高くなったと感じる」

「中央日報」は別のコメントとして「 新内閣の出発というモメンタム(はずみがつく要素)があるため、対話しようという共感はあるが簡単ではない状況」という内容を紹介している。

  • 関連ニュースを報じる「YTN」

いっぽうで新たな課題となるのは、年内にも韓国で開催が予定されている日中韓首脳会談。「聯合ニュース」は韓国側の外交関係者のこのコメントも紹介した。

「日本側は日中韓首脳会談に参席するとは言わなかった」

また「中央日報」は一歩踏み込み、関連情報をこういった見出しで報じた。

「韓日局長級協議での日本『強制徴用(判決問題)解決法があってこそ菅が訪韓』」

予定通りなら「現金化」は今年12月とされる。時間が過ぎつつも「平行線」、さらに日本が「立場を変えず、解決の意思が高まった」という点が報じられた。だとすると状況は韓国にとって「やや後退」にも見えるが。あるいは今回は日本側の新政権発足後、局長クラスの最初の挨拶という意味合いが強かったか。

日本側があくまで「韓国内での解決を望む」というなか、韓国がホスト国となる日中韓首脳会議での「菅首相出席可否」が何か新たなキーとなるだろうか。当座の日韓関係で幹となるのはこの「現金化」そして「時間との戦い」であり、「ベルリン慰安婦像」や「WTO事務局長選」は枝葉の話だろう。