【全文】米朝交渉は否定? 含みあり? 最新「金与正談話」の見方分かれる。そのあいまいさを精読する。

今年6月18日の韓国での報道でも「米メディア、金与正第一部長の急浮上に注目」と。(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

先週末の7月10日、北朝鮮の金与正氏の談話が発表された。6月17日以来のことだ。

先週の米国務省のスティーブン・ビーガン副長官兼北朝鮮政策特別代表の来韓に際してのものだった。

韓国では10日朝からこれが速報で報じられた。TYNは否定的な見解を改めて出した、とみなした。

「【速報】金与正”北美(米朝)首脳会談はアメリカにだけ必要。我々には無益」

また、韓国経済新聞TVも「金与正”年内の北美(米朝)首脳会談なし…非核化、今はできない」

※「米国」は南では「美国」で、北では日本と同じく「米国」。

一方で、「ヘラルド経済」は「含みアリ」と報じた。「金与正、非核化をしないということではない。重大処置があってこそ可能」

否定・肯定の双方があれば、「両方に解釈可能」と見る媒体もあった。朝鮮日報系の「朝鮮Biz」の見出しは「金与正”非核化と他方の不可逆的重大処置、同時に取ってくれなければ”」

「否定的」との見方が多くはあったが、解釈が分かれたのだ。

6月から朝鮮半島情勢の新要素として急上昇した「金与正談話」。13日の談話後、3日でその内容通り南北連絡事務所が爆破された。17日の談話については、親北路線の文在寅政権で初めて韓国側が北に対し「無礼」と批判した。

彼女の存在は「金正恩の実妹」という点は確かなものとして知られるが、じつのところ北朝鮮国内での正確な地位は曖昧なまま。そんな彼女の談話を6月からすべて全文訳し、この場で記事にしてきた。

7月10日のこの談話はこれまでとは少し違う点があった。これまでの「毒舌ぶり」よりも、曖昧さが目立つ。自分の立場をあれこれと変え、読み手に考えさせるような内容なのだ。

ちなみに、朝鮮中央通信から発信された今回の談話は、国内向けの「労働新聞」には掲載されていないものと見られる。労働新聞公式サイト、そして北朝鮮の対外公式宣伝サイト「我々の民族同士」を調査する限り、6月以降の談話で「労働新聞」への掲載の跡が見られるのは4日のもののみ。韓国一般紙の北朝鮮担当記者にも確認を取ってみたが「7月10日の談話は国内で読まれたとは考えにくい」という。

国外向けに記された、その内容とは?

(現地語で約1000文字と分量が多いですが、読み飛ばしが可能なパートをはっきりと記しました。全文訳、行きます)

朝鮮労働党中央委員会金与正第1副部長の談話

該当談話のキャプチャ。北朝鮮公式対外宣伝サイト「我々の民族同士」より
該当談話のキャプチャ。北朝鮮公式対外宣伝サイト「我々の民族同士」より

 私は最近数日の間、米国の人たちが連日発信している我々と関連した奇怪な信号を、報道を通じて聞いている。

 (じっと)見ていると朝米首脳会談の可能性まで示唆することになる、アメリカの人々の心理変化を、TVの報道で興味深く視聴することは、朝食の時間の暇つぶしとしてはまあまだった。

「暇つぶしとしてはまあまあ」。権力者に近い人物の平壌での朝食時の描写。まるでエッセイのような書き出しだ。そして「テレビを観ている」。これは「韓国の放送も見ていますよ」「ちゃんと知っているから」という牽制を示すのだろう。

北朝鮮上層部が韓国側の情報を随時入手している。ドラマや映画でもよく見る風景だが、1998年の史上初の南北首脳会談時には、これを裏付けるような出来事があった。韓国側の訪朝団に、韓国の地上波テレビ各局の社長が加わった。故金正日朝鮮労働党中央委員会総書記を前に挨拶をする場面があったのだが、MBSの社長が驚くべきジョークを飛ばし、場を和ませたのだ。

「いつもご視聴いただきありがとうございます」

(談話続き)

 あくまでも私の個人の考えではあるが、私に分からない部分があったとしても朝米首脳会談のようなことが、今年は起こらないだろうと思う。

 とはいえ、別の点で分からないこともある。

 二人の首脳の判断と決心によって、何が突然起こるか誰も知らないからである。

 しかし明らかなのは、朝米首脳会談がその誰かの言葉通り、必ず必要だとすれば米国側にでも必要なものであり、我々には全く非実利的であり、無益であるという点をもって事態を占うべきである。

 あくまで私の考えだが、と断った。自分の印象を述べているのだ。

 さらに「二人の首脳の判断と決心によって、何が突然起こるか誰も知らない」という点は重要だ。一人は金正恩朝鮮労働党委員長を指し、もう一人はアメリカのトランプ大統領を指す。

 これは北朝鮮社会を見るなかで、非常に重要なポイントだ。事情に詳しい読者には釈迦に説法だが、「唯一指導体制」ゆえ、最高指導者の考え一つで何事もひっくり返り得るということ。この談話では、改めてこの点を強調した。

(続き)

 朝米首脳会談が実現されるとしよう。米国は、我々の指導部との持続的対話だけで安堵感を持つようになっており、また首脳間の親交関係を掲げ、担保される安全な時間を稼げるだろうが、我々は米国との交渉で刈り取るどんな成果もなく、期待さえもしていない。

 私は、朝米間の激しい対立と解決できない意見の違いが存在する状態にあって、米国の決定的な立場の変化がない限り、今年中そしてさらに今後も朝米首脳会談が不要で、少なくとも我々には無益だと考える。

 さらに今年中の朝米首脳会談は、その可能性からして、米国がいくら望んでも我々が受け入れてやらなければ実現できないと考えている。

 その理由を簡単に三つに言うのなら、まず、それが必要なものなのであれば、米国側にとってのものであり、我々にとっては無益だということ、第二に、新たな挑戦を試みる勇気もない米国と対座するなら、再び我々の時間の無駄となるだけであり、せめて維持されてきた首脳たちの間の特別な関係までも毀損しうる危険があるためであり、三つ目はゴミのようなボルトンが予言したため、絶対にそうしてやる必要がないからだ。

 「我々の指導部との対話」と出てくる。そして「期待していない」と断定。彼女は指導部の一員であることは確かだろうから、これは当事者としての発言だ。

 

 しかしその後、主語が「私」になる。するとここからの内容は断定か、個人的な考えなのかはあいまいだ。「朝米首脳会談が不要で、少なくとも我々には無益だと考える」というくだりもそうだ。

 ただし、「その理由」のなかに、北朝鮮の基本的な考え方を知るポイントがある。

「せめて維持されてきた首脳たちの間の特別な関係」

「ゴミのようなボルトン(トランプ政権で国家安全保障を担当してきた前大統領補佐官、ジョン・ボルトン氏)」

 トップ同士の関係を邪魔するな、という意味だ。北朝鮮の外交姿勢は、「米朝交渉に第3者を入れたがらない」という点で一貫している。03年8月から07年3月の間、計6回行われた六カ国協議への参加を好まなかった。2019年6月の板門店での両国首脳会談(具体的な話し合いはなかったため、両国は「面談」ともしている)時には、韓国の文在寅大統領が間に入る形になったが、これも南北関係が悪化すると、それこそ金与正談話で「調子に乗るな」と批判した。

 なぜか。理由の一つを、この国の憲法からも窺い知ることができる。朝鮮民主主義人共和国という国家は「帝国主義者と戦うこと」が国是なのだ。

 朝鮮民主主義人民共和国 社会主義憲法(2019年8月改訂) 

 第1章 政治

 第2条 朝鮮民主主義人民共和国は帝国主義侵略者たちに反対し、祖国の光復と人民の自由と幸福を実現するため、栄光の革命闘争から創建した輝く伝統を引き継いだ革命的国家だ。

 

 帝国主義侵略者、とは建国時においては日本のことだ。憲法序文にはっきりと「偉大なる首領金日成同志におかれては(中略)抗日革命闘争を組織領導し栄光の革命伝統を作られ」とある。日本への反発が国家建設の発端だったのだ。その後、最大の敵(帝国主義者)は米国へと変わった。韓国はその傀儡。国のありようを賭けたこの交渉には出てくる理由がない。彼らのロジックからすればそういうことだ。

 

 さらには朝鮮民主主義人民共和国には金日成という国家の創設者がはっきりとおり、その伝統を引き継ぐ国だ。こちらのトップが国のありようを賭けた直接交渉に出てくる以上、米国側からであっても他者は出てくるべきではない。そういった理解もできる。

  • 談話を報じる韓国メディア「YTN」は「米朝交渉再開を否定」とした。

「クリスマス」の表現から、「委員長に近い立場」としての見立てまで

 実際、米国にすぐに必要なのは、首脳会談自体やその結果ではなく、我々との関係で首脳間の親交関係を掲げ、自分たちにとって政治的な災害のもとになるようなことが起こらないように、我々をじわじわと追い詰め足首を掴む時間を稼ぐ目的があるだろう。

 そして今、首脳会談をしたとしても、またそれが誰かさんの退屈な自慢のみに利用されることが明らかだ。

 米国は大統領選挙の前夜に、まだもらっていないクリスマスの贈り物をもらうかのごとく、心配しているだろう。

 私は、米国がそのような面倒なことに巻き込まれ、困惑するかどうかは、完全に自分たち(彼ら)次第だと考える。

 時を分かたず寂しいのなら、あちこちで厄介な弱音を吐き、我々に対する経済的圧迫や軍事的脅威のような無駄なことにだけこだわったとするのなら、何が起こるのか見ておかなくてはならないだろう。

 私はそのような出来事の有無についてはどのような情報も持ってはいないが、米国が我々に発信する様々な危険な圧迫性言動を、我々の指導部が、いつまでも座視ばかりしているわけではないことは明らかだと思う。

 ”クリスマスの贈り物”という表現が出た。ちなみに北朝鮮では表向きはクリスマスが禁止(自国の思想以外の信奉は禁止)とされている。ここは国外向け専用の談話ゆえの表現か。もしくはあくまで相手の文化を語っているだけ、ということか。

 またここでは、「私はそのような出来事の有無についてはどのような情報も持ってはいない」としている。再び曖昧さを見せるのだ。「何が起こるのか」分からないという。日韓両国メディアでは「彼女はこれまで自国の軍部との接点がない」ということが言われているが、そういった遠慮の表れだろうか。

(続き)

 しかし、今のように、米国が極度に恐れることが起こらないことを見れば、おそらくは我々の委員長同志と米国大統領との間の、特別な親交関係がしっかり作用するという気もする。

 このような時に米国が不安でイライラするあまり、自ら拙く我々の重大な反応を誘発させる危険な行動に出たとしたら、寝ている虎を起こすという格(そういったレベルの話)になり、結果と関係なく面白くはないだろうという点ははっきりとしている。

 最近になって米国が、朝米間の実務交渉の卓(テーブル)や首脳会談の卓を叩く基本的な目的をすぐに見抜くべきである。

 米国は対話の扉や開いて、我々を焦らせながら安全な時間を稼ぐことを望んでいる。

 そして米国は内心、ハノイでのような交渉条件にでも戻りたいのかもしれないという気がする。

 

 今になって振り返ってみると、米国は、まさにその2019年初めにハノイで部分的な制裁の解除をしてやるようなふりをして、いくらでも我々の核中枢を優先的に麻痺させて、我々の展望的な核計画をかき回せる可能性を持っていた。

 その際には、我々の取引条件が合わないにもかかわらず、危険を冒してでも制裁の鎖を切断し、一日も早く我々人民の生活の向上を図ってみようと、一大冒険をしていた時期であったとすることができる。

ここでも「気がする」(あるいは「考える」「思う」とも訳せるが)という表現が多用される。

ただし、「我々の委員長同志と米国大統領との間の、特別な親交関係がしっかり作用するという気もする」というくだりは、この今後の金与正談話を読解するにあたっても重要だ。委員長に非常に近い彼女自身の見立てという要素だからだ。金正恩のメッセンジャーとしての役割がはっきりと出ている点では、重要文脈としてアンダーラインを引く価値があるだろう。

また「米国は内心、ハノイでのような交渉条件にでも戻りたいのかもしれないという気がする」という点は、相手の心理を推測するものだから、この点を断定しない点は理解ができる。

  • KBSは「年内には”なし”も、余地は残した」。

談話中には「事実関係の繰り返し」「対米感情の繰り返し」で退屈な部分も

 その以下の文脈はファクトの振り返りとなっている。いずれも金正恩委員長のサポート役として交渉の現場に居合わせた者としての視点が現れているが、なにぶん分量が多い。お忙しい読者は”ななめ読み”をしていただくのもよいだろう。

 しかし、2019年6月30日、板門店で朝米首脳会談が行われた時、我々の委員長同志は北朝鮮(原文ママ)経済の明るい見通しと経済的支援を述べ、前提条件として追加の非核化措置を要求する米国大統領に(対し)、(我々の)派手な変身と急速な経済繁栄の夢を実現するため、我々の制度と人民の安全と未来を担保もない制裁の解除などとは決して交換できないということと、米国は我々に強要してきた痛みが、(北朝鮮内の)米国に反対する憎しみに変わり、我々はその憎しみをもって、米国が主導する執拗な制裁封鎖を突破し、我々のやり方は、我々の力で生きていくことをはっきりと宣言された。

 この文脈は、急に一文が長くなり、訳しづらい部分があった。これまでの談話にも多く見られたことだ。続いても事実関係の繰り返し。「敵対をまずやめよ」という点も、金与正談話ではなくとも繰り返されてきた点だ。

 以来、我々は制裁解除問題を米国との交渉提議(議題)から完全に投げ捨ててしまった。

 私は「非核化措置 対 制裁解除」という過去の期間朝米交渉の基本的主題を、今、「敵対視撤回の朝米交渉再開」の枠組みに修正されなければならないと考える。

 制裁を加えてきたのだが、我々が貧しいということもないのに、何のために米国に引っ張られなければならないのか、ということだ。

 米国が今になって、ハノイの会談の卓(テーブル)に上がったいくつかの制裁の解除と、我々の核開発の中枢神経である寧辺(ニョンビョン)地区のような、大規模な核施設の恒久的廃棄を再交渉してみようとする愚かな夢を抱いていないことを望む。

再び「トップ同士の良好な関係」を強調

ただし、この後韓国メディアが「交渉に関心あり」と解釈した文脈が出てくる。

 トランプ現米国大統領に対する我々委員長同志の個人的な感情は、疑いもなく確固として良いのだが、我々の政府は現在の米国大統領との関係によって対米戦術と我々の核計画を調整するべきでない。

 我々は、トランプ大統領を相手する必要がありながら、その後の米国政権、さらに米国全体を対象としなければならない。

「次期政権との交渉可能性」を述べた点は一部韓国メディアも注目した部分だ。長い目で見ると、交渉はありうると言っているのだと。そして我々のボスはトランプ大統領が個人的に好きだと重ねて記した。繰り返すほどに、伝えたい部分なのだ。しかし彼のスケジュール通りに進めることができない。こちらの都合もあるのだと。

談話はいったん少し盛り上がるが、続いての文脈では再び「米国叩き」が同じ内容の繰り返しとなる。上と同様に時間がない場合はななめ読みを。

 

 ここ数日間、米国の高官の発言だけを見ても、大統領との関係とは無関係に我々がこれからすべきことを知ることができる。

 

 米国務省が対話の意志を表明したかと思えば、大統領まで出てきて、我々の指導部との良好な関係を重ね明らかにし、朝米首脳会談の可能性まで示唆している状況で、米国国防長官という人はまた、「CVID」うんぬんを抜かし、我々に向かって「悪党国家」という敵対的発言を隠さず行っている。

 大統領とその部下でたまに食い違いを見せることが、意図的な悪巧みか、大統領の不確実権力掌握力から産生されることなのかは評価したくない。

 とにかく朝米首脳間の関係が良いといっても、米国は、我々を拒否し敵視することになっている。

 トランプ大統領との関係だけを考えて、我々が犯してはならないミスは、絶対にしてはならないことを警戒しなければならない時である。

 最近、米国が対朝鮮制裁と関連した大統領行政命令を1年間延長するかと朝米関係改善に先立ち、「人権問題」が「解決」されなければならないと騒ぎながら、我々の「人権実態」について取り上げつつ、我々の国を「最悪の人身売買国家」に、「テロ支援国」に再指定するなど我々をことごとく狙って刺激しているが、これだけ見ても、米国の対朝鮮敵視が決して撤回されるということがよく分かる。

 我々への体質的な抵抗感が「風土病」になってしまった米国が、今の大統領選挙の「危機」を越えても、その後我々に向かって行う多くの敵対的行動を予見せねばならず、我々は、今の時点で現執権者との親交関係より、この先絶えずずっと続く米国の対朝鮮敵視に対処できる、我々の対応能力の向上により多く悩なまければならない時だと考えている。

 我々は、米国からの長期的な脅威を管理して、そのような脅威を抑制し、その中で我々の国益と自主権を守る展望的な計画を策定し、実際的な能力を強固にし、絶えず発展しなければならない。

 今、朝米間非核化交渉を再開しようとする試みは、米国がばたばたとしているからこそのことであり、我々はそういった状態ではない。

 会談のテーブルで何をどのように、より多く盗み食うかを考えている米国とはすぐに対座する必要はない。米国の尊大な態度の変化をまず見て、決心してもよい問題だと思う。

 米国は、我々の核を奪うことに頭をひねるのではなく、我々の核が自分たちに脅威にならない状況を作ることに頭をひねることが、より容易であり有益だろう。

 

 我々は、米国への脅威を加える考えが全くなく、これは委員長同志もトランプ大統領にはっきりと立場を明らかにされたことがある。

見るべき点があるとすれば、米国国防長官は口を出すなと、トップ同士の関係はよいのだからと繰り返す点、そして最後の「委員長同志も~」の文脈だ。

再び交渉現場を近くで見た者としての視点が現れている。前出と同様に金正恩委員長のメッセンジャーの役割を果たす、というものだ。

最後に”委員長”から”大統領”へのメッセージを念押し

談話は、最後の文脈へと続いていく。

 ただ、我々を傷つけさえせず、触れなければすべてが楽な流れとなるだろう。

 我々は決して非核化をしないということではなく、今できないことを明らかにし、朝鮮半島の非核化を実現するために、我々の行動と並行して、他方の多くの変化、すなわち不可逆的な重大措置を同時に取ってこそ可能であることを想起させる。

 他方の多くの変更とは、制裁解除を念頭に置くものでないことを明らかにしておく。

 私は元々、南朝鮮に向けならともかく、米国人に向けてこのような文を書くことを望まなかった。

 最後に、数日前TVの報道で見た米国の独立節(独立記念日)記念行事のコメントを伝えよう。

 可能であれば、今後、独立節記念行事を収録したDVDを個人的に必ず入手しようと思うのだが、これに対し委員長同志から許諾を受けた。

 委員長同志はトランプ大統領の事業で、必ず良い成果があることを願うという自身のメッセージを伝えろとおっしゃった。

 

2020年7月10日

平壌

最後に再び「トランプのことは好きだ」という点の念押しがあった。さらに委員長の近くにいて、言葉を引き出せるという点もさらに強調している。DVDを入手することに許可を得る、という点で忠誠心を示した。自分勝手にやっているのではない、と。

当然、談話には現状へのストレートな感情も込められているだろう。いっぽうで曖昧さを入れることにより、少し周辺の反応を見極めている面もあるのではないか。あくまで自分の意見と断りを言いながら、サラッと「委員長に近い」自分の視点を織り込む。米朝会談に関しては意思がないようにも、あるようにも書く。6月13日、17日の談話に比べてこの談話はかなり「毒舌」の度合いが下がっている。

今後、「金与正談話」は内外でどんな機能を果たしていくか。できる限り全訳、という方法で考察していきたい。

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