【全文】朝鮮中央通信が拉致問題の論評を発表。その全容とは?

2019年12月に行われた横田めぐみさん写真展の告知。新宿駅にて(写真:Duits/アフロ)

先月末に、拉致問題について北朝鮮国営メディアが論じた。

朝鮮中央通信が6月30日に「荒唐無稽な《拉致》の口癖の真相 」という論評を発表。NHKがこれを短く伝えた。

北朝鮮「行方不明者2人 日本で遺体発見 拉致問題は荒唐無稽」

6月5日に北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表横田滋さんが老衰により、87歳で死去。日本で関連ニュースが大きく報じられるなか、30日にこの論評が配信された。同日付でアメリカのトランプが横田さんへの弔意を示す書簡が送られた。

このタイミングの論評に、どういった内容が記されていたのか。筆者自身も強い問題意識を持つなか、これまであまり報じられてこなかった「北朝鮮の論評全文」を紹介する。あちらの主張に耳を傾ける、というものでは決してない。少し別角度からこの問題を報じるという考えだ。論評に並ぶ激しい言葉は、この問題の確固たるステークホルダーの実態だ。

荒唐無稽な「拉致」の口癖の真相

(平壌6月30日発 朝鮮中央通信)

該当記事のキャプチャ。北朝鮮公式対外宣伝サイト「我々の民族同士」より
該当記事のキャプチャ。北朝鮮公式対外宣伝サイト「我々の民族同士」より

とんでもない《拉致》の口癖の実像が一つ一つ明らかになってきている。

少し前、日本の富山県の警察 1996年に失踪し《北朝鮮による拉致の可能性を排除でできない》としていた2名の女性が自国内で死亡したと公式認定した。

失踪していた2名の女性は今年3月、県内のある港の海底から引き揚げられた車内から死体で発見され、DNA検査を通じ身元が確認されたという。

これにより、日本の反動たちが主張する《拉致》某の被害者数はまた減り、《拉致》問題の欺瞞性を見せつける確実な例証がまた増えたことになる。

それにもかかわらず、まだ日本全国に我々に《拉致》されたという可能性を排除できない特定失踪者が数百名に達するというから、まったく荒唐無稽の極みである。

行方不明者の問題は日本の反動的な社会制度が生んだ必然的産物として明らかな自国内の問題であり、概念上で見ても拉致とのつながりは遠い。

「反動」とは、要は自分たちの社会主義的思想に反する考え方のこと。韓国のデジタル辞書は「反動文化」という北朝鮮の言葉についてこう解説している。

「社会発展に逆行し、勤労人人民大衆の健全的な精神思想世界と倫理・道徳をむしばみ、だらしなさやぜいたく、堕落を広めようとする反動的な文化」

論評は富山の一件から、拉致問題全体への批判へと続く。

しかし日本では 一定の捜査期間が過ぎ、対策がなければ行方不明者たちが自動的に拉致被害者に化けるのが現実だ。

これは単純に警察当局の無能力に限った問題ではなく、日本人行方不明者問題を政治外交的問題に拡大、国際化し不順な利益を得ようとする日本の反動たちの対朝鮮敵視政策の一環だ。

事実、日本は我々との関係の問題でその某の問題を出す資格も名分もなく、あえて《拉致》問題を論じる立場にはなおさらないのだ。  

20世紀に我々の国を占領し840万余名の青壮年たちと20万名の女性たちを誘拐、拉致、強制連行し死の戦争現場や工事現場などに送り、100余万人の罪のない人民たちを無残に殺戮した特大の反人類犯罪国家だ。

口が10個あっても何も言えないだろう日本が、加害者の立場から抜け出し、被害者の真似をすることによって、なんとかして過去の清算を回避する者たちの対朝鮮敵対政策に正しさを付与しようと考案したものが、他ではない、全解決した《拉致》問題だ。

日本の反動たちは古臭い《拉致》問題を継続的に世論化することにより、自殺者、失踪者を絶え間なく増やす反人民的な社会制度の実像を隠し、国内の反政府運動を国内に向け、さらには再侵略の野望実現に有利な雰囲気を造成しようとしている。

まさにこれが、日本当局の《核心懸案》であり、《最優先議題》だと言って騒ぐ《拉致》問題の本質だ。

日本はその過ちを他人のせいにする邪悪な振る舞いをやめなければならない。

北朝鮮側は故金正日総書記の謝罪により「問題は解決した」という立場を主張している。その主張に留まらず、日本を強く批難しているのだ。引き続き問題に強い関心を。

横田滋さんのご冥福をお祈りします。