しゃべり過ぎの通訳に注意<通訳を使うテクニック 6>

このコラムではこれまで通訳を選ぶときの注意点を取り上げてきました。(詳しくは前回までのバックナンバーをご覧ください。今回はこんな通訳には要注意というポイントを取り上げてみたいと思います。

まず、通訳を使う場合の話し方についてです。話し手は話す内容をフレーズごとに適度に区切って通訳が訳しやすい話し方を心がけることが必要です。通訳の基本は逐次通訳です。話し手の話があまり長すぎると、通訳が内容を十分に把握しきれなかったり、重要なポイントをつかみ切れなかったりします。

話す内容をまとめて、適度な長さで区切って、通訳が訳しやすい話し方を心がけることが必要です。伝えたいことをできるだけ短いフレーズに区切って話すことが大切です。

次に、現場の経験からこんな通訳には要注意というポイントをいくつか挙げてみましょう。代表的な3つのタイプを紹介します。第1に「しゃべり過ぎ」の通訳、第2に「省略が多い」通訳、そして第3が「聞き返さない」通訳です。

まず、最初に取り上げるのは「しゃべり過ぎ」です。通訳が話し手以上に時間をかけて訳をするケースがあります。時には話し手が「ひと言」しか言っていないのに、延々と話を続ける通訳がいます。話し手が1分ぐらいで話した話を通訳が3分も5分も話す。これは明らかに通訳のしゃべり過ぎです。

好意的に解釈するならば、通訳は話し手の言葉の行間を読んで補足を交えて伝えようとしているとも考えられます。話し手が言いたいことを先回りして、相手に伝えようとしているのかもしれません。

しかし、あまりにも通訳の時間が長いと「何を話しているのだろう」と不安になるでしょう。このような場合、話し手は通訳の話にストップをかけてうまくコントロールすることが必要です。

この逆のケースがふたつ目の「省略の多い」通訳です。話し手の伝えたいことを通訳が自分の判断で要約する通訳です。通訳自身の判断で(時には勝手に)話の概略を簡潔に要約してしまうのです。

その場合、話し手が伝えたいポイントをきちんとまとめて要約できる通訳なら優秀な通訳であると言えるでしょう。しかし、訳しやすいところだけを、短く縮めて伝えたり、中にはわからない言葉や訳しにくい内容があると飛ばしてしまう通訳がいます。

こういう通訳は要注意です。通訳の仕事は話し手が伝えたい内容を正確に伝えることです。わからない言葉があれば通訳は話し手に確認すべきです。次回は現場の注意ポイントの3つ目、「聞き返さない」通訳について取り上げます。