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熊本大地震 焦る気持ちをぐっとこらえ、被災された方を第一にした支援を!

吉川彰浩一般社団法人AFW 代表理事
NHKライブより 強い余震も続いています。

熊本県で被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。今、全国の私達は皆さまの置かれた状況を見守りつつ、支援の在り方を模索しております。

皆さまの一日でも早い、安心した生活に向けて、これから全国からの支援が始まります。大変お辛い状況とは思いますが、必ず日本全体でお救いいたします、気を強く持ち、出来うるならば、今の自分より弱い立場の方々へ目を配って頂ければと思います。

全国の支援を模索している皆様へ

約5年前、東日本大震災の当初、被災された方々への支援が返って、被災された方々を困らせてしまった事は覚えていらっしゃいますでしょうか。近年では、昨年9月の関東・東北豪雨被災地域でも、被災地が求める者と支援がミスマッチングを起こし、多くの混乱を生みました。

現在、多くのメディアが被害状況を伝えています。それゆえに手に汗握るような焦りを感じていると思います。

自分に何が出来るだろう。一日でも早く助けたい!、筆者もそう思います。ですが、被災された方々、これからボランティアセンターを開設する方々、寝ずの仕事をする行政の方々に、いらぬご迷惑をかけないよう、ここは焦る気持ちをぐっとこらえて、正しい支援を行っていきましょう。

でも正しい支援の在り方とは?となります。こちらかなり参考になります。支援を考えられている方々は必ずお読みください。

東日本大震災の教訓を活かす場面に今あります。

BuzzFeed「良い支援とダメな支援の違いとは?荻上チキさんに聞く」

こちらには、支援する側の私達が相手を考えず、犯してしまいがちな、ミスを教えてくださってます。

困った支援物資の例として、「使用済みの洗っていない服」、「水がないのにカップラーメン」、「生ものの食べ物」、etcが挙げられています。不用品を送りつけると支援物資を送るはまったく違います。が基本です。

詳しくは、先述URL内「物資は賢く送る」をお読みください。

また、情報支援も出来ることではありますが、ありがちなのが「拡散希望」による現場混乱です。

【拡散希望】も要注意

「ツイッターで流れたデマで、『【拡散希望】この自治体が支援物資を求めてます 住所は××』というものがありました。住所として書かれていたのは、被災した自治体です。被災自治体に直接、個人が物資を送ることは、仕分けのコストを増やすため推奨されません。実際、その自治体は、個人からの物資を受け入れていませんでした」

出典:http://www.buzzfeed.com/satoruishido/chiki-interview#.ouqkObaLx

待つことも必要

焦るあまり、ニーズを考えず支援物資を送ってしまうより、遠方の方々は支援に向かう交通費や物を購入する費用など、これから作られる募金窓口に送ることが「被災された方々の生活の再建」を考えれば、有効とも言えます。

短期的に必要な支援、長期的な本当の復興を後押しする支援、選択は自由ですが待つことで出来る支援もあります。

これから先、家屋被災(全壊、大規模半壊、半壊)をされた方々は大変な生活再建資金を必要とします。

「災害救助法による応急修理制度」、「被災者生活再建支援法の支援金」といった国からの支援が見込まれますが、被災状況の精査がついて、罹災証明書が発行されるまで、適用にならず数か月先になる恐れがあります。その間、使えるお金がないといった問題は必ず出てきます。

その時、助けになるのが民間からの募金です。

どうしても災害初期は「物」ばかりに支援意識が向きがちですが、やはり最後は「お金」です。

被災された方を第一に置き、被災状況、日々変わるニーズ・局面を見極めていくことが必要です。

大災害の際、冷静でいられないのは被災地外で見守る私達も同様です。今、誰が一番苦しい思いをしているでしょうか?お辛い思いをされている方々に寄り添い、焦らず、冷静に出来る支援を私達は心がけていきましょう。

その先に被災された方々の、一日も早い安心があります。

社会全体で、熊本県地方のこの大地震からの復興を支えていきましょう。

一般社団法人AFW 代表理事

1980年生まれ。元東京電力社員、福島第一、第二原子力発電所に勤務。「次世代に託すことが出来るふるさとを創造する」をモットーに、一般社団法人AFWを設立。福島第一原発と隣合う暮らしの中で、福島第一原発の廃炉現場と地域(社会)とを繋ぐ取組を行っている。福島県内外の中学・高校・大学向けに廃炉現場理解講義や廃炉から社会課題を考える講義を展開。福島県双葉郡浪江町町民の視点を含め、原発事故被災地域のガイド・講話なども務める。双葉郡楢葉町で友人が運営する古民家を協働運営しながら、交流人口・関係人口拡大にも取り組む。福島県を楽しむイベント等も企画。春・夏は田んぼづくりに勤しんでいる。

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