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高校野球記録室/センバツ過去10大会編 1位はやはりあのチーム……

楊順行スポーツライター
センバツ準優勝に躍進した明豊・川崎絢平監督(写真:岡沢克郎/アフロ)

 選抜高校野球大会が中止になった昨年、2010〜19年の10回を区切ってセンバツ大会の番付をつくってみた。参考までに、10年代センバツの都道府県順位はこうなっていた(引き分けは除く)。

1 大 阪 33勝10敗 優勝3 準優勝2

2 東 京 16勝16敗 準優勝1

3 福 井 14勝8敗 優勝1

4 愛 知 13勝7敗 優勝1

 京 都 13勝12敗 優勝1

 北海道 13勝13敗 準優勝1

7 和歌山 12勝10敗 準優勝1

8 埼 玉 11勝7敗 優勝1

 福 岡 11勝7敗 準優勝1

 奈 良 11勝11敗 優勝1

 兵 庫 11勝11敗

12 神奈川 10勝8敗 優勝1

群 馬 10勝9敗

 10勝に到達していたのは、この13都道府県のみ。ここから10年の82回大会を除き、今年の93回大会を加えてみた。つまり、開催された直近のセンバツ10大会にアップデートしたわけだ。すると……結果はこう。

1 大 阪 32勝10敗 優勝3 準優勝2

2 奈 良 16勝12敗 優勝1

3 神奈川 15勝7敗 優勝2

4 愛 知 14勝7敗 優勝1

 京 都 14勝12敗 優勝1

6 福 岡 12勝7敗 準優勝1

福 井 12勝8敗 優勝1

  東 京 12勝15敗

9 群 馬 11勝9敗

  和歌山 11勝9敗 準優勝1

  兵 庫 11勝12敗

  北海道 11勝13敗 準優勝1

13 埼 玉 10勝6敗 優勝1

 13都道府県の顔ぶれに変わりはないが、今大会で天理がベスト4、智弁学園がベスト8の奈良、東海大相模が優勝した神奈川が躍進している。準優勝した明豊の大分は91、93回大会のみで8勝と、大きく勝ち星を伸ばした。勝ち星を稼ぐには5勝、あるいは4勝を上積みする優勝、準優勝が手っ取り早いが、兵庫と群馬はそれがなくても二ケタ勝利している。群馬では、健大高崎が12年の初出場から8勝、兵庫では明石商がやはり16年の初出場から5勝だ。

勝ち星を伸ばす明豊に注目

 チーム別に見ると、過去のセンバツ10大会ではこうなる。

1 大阪桐蔭  20勝5敗 優勝3

2 東海大相模 13勝1敗 優勝2

3 履正社   12勝6敗 準優勝2

4 智弁学園  11勝5敗 優勝1

5 浦和学院  10勝3敗 優勝1

 敦賀気比   10勝4敗 優勝1

 龍谷大平安 10勝4敗 優勝1

8 健大高崎   8勝4敗

 八戸学院光星 8勝6敗 準優勝1         

10 明豊     7勝2敗 準優勝1

 驚くのは、東海大相模の強さ。10大会で出場は3回にすぎないが、そのうち2回を優勝、1回がベスト4(しかもチームとしては、春夏通じて準決勝で初めての敗退)というのは、17〜18年の4季連続出場で3回優勝(18勝1敗)した最強の大阪桐蔭には及ばないにしても、驚異的な勝率だ。その大阪桐蔭、センバツでは初めての初戦負けを喫したが、12年、さらに17〜18年の連覇と3回優勝の貯金が効いて1位。ここ2大会、ベスト4と準優勝で7勝を稼いだ明豊は、どこまで勝ち星を伸ばしてくるか……。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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